アシックスは、2030年までの10年間にわたる長期ビジョン「VISION2030」を策定したことを発表した。

これは、アシックスという会社が将来ありたい姿を長期的な視点で表したものであるとのことだ。

現在、社会や環境は、かつてないスピードで大きく変化しており、デジタル技術が人々の日常生活により一層定着し、新たな価値や体験を生み出しているという。

一方で、人々の生活がより豊かで便利になるにともない身体を動かす機会が減少するなど、健康に関わる新たな社会課題が生まれており、そのため今後は、世界中で心と身体両方の健康に対する意識がますます高まっていくと考えられるとのことだ。

アシックスの創業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし」は、世界中の人々に心身ともに健康で幸せな生活を実現してほしい、という同社の願いを表しており、同社はこの想いを引き続きコアとして守りながら、より広い視野で心身の健康向上に寄与するプロダクト、サービス、環境を提供していくという。

これからの10年とその先に向けて、同社は「プロダクト」「ファシリティとコミュニティ」「アナリシスとダイアグノシス(分析と診断)」の3つの事業ドメインで事業を拡張するとしている。

「プロダクト」では、ユーザー一人ひとりの嗜好、価値観の多様化に基づいてパーソナライズされたプロダクトを提案し、それらを素早く届ける仕組みを構築。

「ファシリティとコミュニティ」では、より多くの人々の健康を実現するために、スポーツをはじめるきっかけや継続するためのきっかけ、リアル・バーチャルを問わずいつでもどこでも誰とでもつながりながらスポーツを楽しめる場を提供。

「アナリシスとダイアグノシス」では、長年つちかってきた知見と、センシングなどの新たな技術によって収集されるデータに基づいた分析診断を通して、一人ひとりの健康およびパフォーマンスの維持・向上をサポート。

また、すべての事業ドメインに共通して、「デジタル」「パーソナル」「サステナブル」の3つのテーマを掲げているという。進化を続けるデジタル技術を活用し、各個人に合わせてパーソナライズされた製品・サービスを、環境に配慮したサステナブルな手法で開発・提供しているとのことだ。

同社は、これら3つのテーマを通じて、3つの事業ドメインを単独で成長させつつ、それぞれの事業ドメインが交わることで相乗効果を生み出し、価値の最大化をはかるとしている。

また、あらゆる角度からユーザー一人ひとりに最適な価値を提供することで、健康的で豊かなライフスタイルの実現に貢献することを目指すとのことだ。

なお、2021年には、同社の新たな中期経営計画がスタート。

世界が急速に変化し、前進しているなか、「VISION2030」を通してアシックスがありたい姿を従業員全員で共有することで、時代に沿った新たな視点で事業活動に取り組んでいくとしている。

また、世界中のすべての人々の心身の健康に貢献するという創業哲学を核として、輝かしい未来に向けて世の中に確かな価値を提供し、信頼される企業を目指すとのことだ。