パナソニックは、10月10日、11日に東京都品川区で開催される「キャナルアートモーメント品川2020」にて、光・音のクラウドリモート制御による街空間演出とエリアマネジメント・プロモーション支援を組み合わせたエリア価値創造サービスの実証実験を実施すると発表した。

同社は、水辺空間の演出、自社遊休地をリノベーションした複合施設TENNOZ Rimの構築・運営等により、同エリアの活性化に2016年から貢献してきた。

これらの知見をもとに、ニューノーマル時代に求められるエリア価値を創造するサービスを構想。

各種設備・空間演出・IoTクラウド技術・映像制作・配信技術・センシング技術を組合せ、光・音の空間演出によるエリア体験価値向上、ニューノーマル時代のエリアマネジメント支援、OMO(Online Merges with Offline)によるエリアプロモーションといったエリア全体の新しい価値を創造するサービスの検証を行うとのことだ。

なお、同検証は主催者の品川区、一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会、協賛者で同エリアに本社ビルを保有する寺田倉庫等の協力の下行われる。

同実証実験で取り組む内容は以下。

  • クラウド制御による光・音の空間演出を通じたエリアの顧客体験価値向上
    • 誘導・誘客・密回避など、人の行動に働きかける照明演出
    • ライブパフォーマンス音響と照明の連動による空間演出
  • ニューノーマル時代のエリアマネジメント支援サービス
    • 現場センシングによる来場者マーケティング(年代・性別・人数測定/群衆計測)
    • 来場者管理(マスク・体表面温度検知)
    • 街空間演出VRによる運営事前シミュレーションとリアルタイム演出確認
  • OMO(Online Merges with Offline)によるエリアプロモーション

実証内容の詳細は、クラウド接続・制御による光・音の空間演出を通じたエリアの顧客体験価値向上、ニューノーマル時代のエリアマネジメント支援サービス、OMOによるエリアプロモーション支援となる。

クラウド接続・制御による光・音の空間演出を通じたエリアの顧客体験価値向上では、ライティング設計技術とセンシング技術を活用し、空間ごとの混雑度に応じて、人の滞留、誘導、分散を促す照明演出を行う事で、賑わい創出、快適な移動・回遊の促進、密回避の実現を図る。

施設への誘客やコロナ禍での密回避を想定して、照明が人の行動に働きかける効果の検証を行うとのことだ。

また、ライブパフォーマンスの音に合わせ、エリア全体に設置された84台の照明を同時に制御。エリア全体をまるでライブステージのような空間にすることで、より観客との一体感向上を図り、非日常的な体験を演出する。

ニューノーマル時代のエリアマネジメント支援サービスでは、現場センシングによる来場者マーケティングや来場者管理(マスク・体表面温度検知)を実施。

画像認識技術を活用して、来場者の性別、年代、人数や群衆計測による空間の混雑度などを可視化し、エリアマーケティングにおけるデジタル化推進に向けた有効性を検証するという。

さらに、天王洲エリアのVRを作成し、照明空間演出の事前シミュレーションを行うことで、ロケーションオーナーやイベントパフォーマーとの演出検討を支援。

OMOによるエリアプロモーション支援では、これまで、パナソニックが同エリアのプロモーション企画・運営をサポートしてきた知見をもとに、オフラインとオンラインが融合した、コロナ禍における新しい地域イベントの在り方を提案し、その実現に向けたチャレンジをサポート。

VRライブ配信やVRフェス会場などの公開を予定している。

なお、同イベントは、完全予約制にて行われるとのことだ。

パナソニックは、今後も天王洲エリアの価値向上を進めていくと共に、ニューノーマル時代のエリア価値創造に貢献するソリューションを開発し、マイクロツーリズムやナイトタイムエコノミーの推進など持続的に成長していく街づくりへ貢献していくとしている。