小田急電鉄では、同社が神奈川県座間市内で推進する「循環型コミュニティの創出」に関する取り組みについて、サーキュラー・エコノミー先進国であるフィンランドの公的イノベーション・ファンド「Sitra」が選定する「世界を変えるサーキュラー・エコノミーソリューション」に日本企業・団体として初選出されたと発表した。
同選出は、世界中のさまざまな業界でサーキュラー・エコノミー(以下、CE)を踏まえたビジネスモデルの普及を目的に、CEが社会を変革していく可能性を世界へ示すために行われているもの。
同社では、循環型コミュニティの創出に向けて、2015年度に小田急線の座間駅前に立地していた築後約半世紀の社宅を、環境面への影響を考慮して賃貸住宅「ホシノタニ団地」としてリノベーション。
既存施設を生かして、施設間に広場や貸農園などを配置することで居住者同士のコミュニティを創出し、これらは一般開放もしている。
さらに、グループ企業の小田急不動産を中心にイベントを定期開催するなど、座間駅前エリアのさらなる活性化に寄与しているほか、同様の取り組みをその他エリアでも推進しているという。
また、2019年度に座間市と「サーキュラー・エコノミー推進に係る連携と協力に
関する協定」を締結。
現在、行政とともに米国ルビコン・グローバル社のテクノロジーを活用した資源物収集のスマート化に関する実証実験を行っているほか、市内小学校での「ごみの問題解決」に関するワークショップの開催などに協同している。
以上の取り組みについて、CEとしての課題を捉え、座間市というパートナーとともにCEを強力に推進している点や、郊外エリアにおけるコミュニティ活性化等の社会課題の解決に寄与している点などを高く評価され、今回の選出に至ったとのことだ。
同社では、CEを同社の主要ビジネスの1つ「まちづくり事業」と親和性の高いものとして捉えており、今後も沿線を中心とした自治体や企業などさまざまなパートナーと共創しながら「循環型コミュニティの創出」を推進し、持続可能で日本一暮らしやすい沿線の実現に貢献していくとしている。