伊藤忠商事は、プラスチック樹脂メーカーのBorealis AG(以下、Borealis)およびそのグループ会社であるBorouge Pte Ltdと再生可能資源由来のバイオマスポリプロピレン(以下、バイオPP)に関する日本市場でのマーケティングについて合意したと発表した。
同社は、合意を契機に、再生可能資源由来のバイオマスプラスチックビジネスに本格参入すると発表した。
昨今、国内外で気候変動に関する動向が注目を浴び、対策が急がれている。日本でも、こうした動きの中で2030年までに約200万トンのバイオマスプラスチック製品を導入する基本計画が策定されており、プラスチックの優位性を保ちながら、環境配慮を推し進めることが可能なバイオマスプラスチックへの切り替えが求められている。
プラスチックの主原料のひとつであるポリプロピレンは、強度や耐熱性に強いことが特徴で、食品容器や日用品、自動車用部品など、幅広い用途で活用されていますが、バイオマス原料化の難易度が高く工業化が難しいとされてきた。
Borealisは1994年の設立以降、世界トップクラスのプラスチック樹脂メーカーとして120カ国以上で事業を推進し、環境分野においても、バイオマスプラスチックやリサイクル樹脂の製造、販売をしている。
2020年3月にはバイオPPの商業生産を開始し、欧州をはじめ世界へ拡販を進めており、合意はアジアで初となるもの。
バイオPPは第二世代原料と言われる食品競合のない廃棄物や残留物、また廃食用油など再生可能な原料を利用している。また、第三者独立機関の認証による原料から製品までのトレーサビリティを確保しており、ユーザーからの注目を集めている。
伊藤忠商事は、本業を通じた社会課題の解決による企業価値向上を目指しており、今後バイオマスプラスチック事業のグローバルな、特に日本およびアジア市場における展開を推進。
2020年中に日本初となるバイオPPを原料とする食品容器や包材の展開を目指し、その他衛生用品、日用雑貨、化粧品容器、オフィス用品、家電、自動車部品など、多様な分野での製品展開を図るという。
国内外における伊藤忠グループのネットワークを活用し、バイオマスプラスチック領域での新たなビジネスモデルを創りあげ、持続可能な社会の発展に貢献していくとのことだ。