NECは、日本テレビに地上波放送のインターネットライブ配信の効率的な運用を実現する「地上波ライブ配信エンコーダソリューション」を納入したと発表した。
同システムは、10月より順次稼働を開始する予定であるとしている。
地上波放送のライブ配信を行うにあたり、CM枠に関する対応や、権利処理に問題が残る番組への「フタ被せ処理」などが必要になるという。放送局ではこうした様々な処理についてできる限り簡便かつ自動的に処理し、運用効率向上を実現する仕組みが求められていたとのことだ。
こうした背景の中、NECの提供する、地上波ライブ配信エンコーダソリューションはテレビ放送信号のARIBアンシラリデータを直接処理し、マスター送出システムや配信プラットフォームとの連携を1台のエンコーダで可能にするという。
これにより、日本テレビでは既存の放送設備への影響を最小限に抑えつつ、ライブ配信の運用効率化を実現するとしている。
なお、同システムの特長は以下。
- システム構成の効率化
従来、SCTEインサータや音声ダウンミックス装置などの複数の放送機器が必要だったが、同エンコーダ1台で配信プラットフォームと連携し、システム構成を効率化できる。
配信プラットフォームで幅広く採用されているCM挿入タイミングを通知する規格SCTE-35に準拠しており、ネットキュー信号と連携した送出が可能となっている。 - CMの差し替え運用を自動化
エンコーダはネットキュー信号に連携。フレーム精度でのCM枠の自動フタ被せ処理を行うとともに、配信プラットフォームに対してCM差し替えに必要な情報をSCTE-35信号で通知する。
SCTE-35へ設定するパラメータはエンコーダのGUIもしくはWEB-APIで設定可能。エンコーダのネットキュー信号処理は放送局の要件に合わせて柔軟に対応でき、番組の差し替えなど、運用を拡張することが可能であるとのことだ。 - 音声モードの自動検知によるダウンミックス処理
テレビ放送信号のARIBアンシラリデータの音声モードを自動検知し、インターネット配信形式に合わせてダウンミックス処理を行う。
NECは、マスターとの連携強化やエンコーダ機能の拡充により放送局のネット配信サービスへの対応と運用負荷の軽減に貢献していくとしている。