国立大学法人北海道大学(以下、北大)、森永乳業および日立製作所(以下、日立)は、母子健康サービスの提供を検討している自治体や研究機関、企業が継続的に母子の健康データを収集する仕組みと、健康データに基づいた健康改善アドバイスの配信方法に関する3件の知的財産を、母子が健康に暮らせる社会を実現するために開放することに合意したと発表した。

岩見沢市と、北海道大学センター・オブ・イノベーション(以下、北大COI)の参画メンバーである北大、森永乳業、日立は、出生率の向上と低出生体重児の減少を目的とした母子健康調査を実施している。

同調査は、産学官連携による社会課題解決や、持続可能な社会の実現をめざす「食と健康の達人」プロジェクトの一環として、岩見沢市がめざす健康経営都市の実現推進のために、2017年から開始。

北大COIが母子の便、血液、母乳、食事などの様々な健康データを収集・解析する健康データ統合プラットフォームを構築することで、岩見沢市で出産する女性と子どもに健康改善アドバイスを提供しているという。

これまでに200人の母子が調査に参加し、健康改善アドバイスを受けることで、岩見沢市の低出生体重児の割合が、2015年の10.4%から2017年には7.8%へ低減したとのことだ。

今回、より多くの母子の健康向上に向けて、北大、森永乳業、日立の3社は同調査によって得られた母子健康調査の社会実装に貢献する知的財産を開放。

特に、母子に対するサービスの担い手となる自治体、団体等の非営利機関には、無償で開放する予定であるとしている。

今後、岩見沢市、北大、森永乳業、日立は、同調査や母子健康サービスの担い手となるパートナーを増やし、母子が健康に暮らせる社会を実現することで、未来の子どもたちにより良い環境をつくる活動に貢献していくとのことだ。