タニタは、同社が蓄積してきた活動量計の中核技術である「タニタアルゴリズム」の外部提供を本格展開すると発表した。

同アルゴリズムを歩数や消費エネルギー量を表示する機器およびアプリケーションに組み込むことで精度の高い計測結果を得ることができるため、スマートフォンなどで付加価値の高い商品やサービスの開発に生かすことが可能になるという。

その第1号案件として、スクウェア・エニックスが提供するスマートフォン向け位置情報ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエストウォーク」に9月12日から搭載されているという。

スマートフォンやウエアラブル端末などさまざまなITデバイスが普及する中、これらの機器において健康領域への対応ニーズが高まっている。

タニタは2009年4月に活動量計「カロリズム」を発売。依頼、活動量計測のパイオニアとして、さまざまな商品をラインアップしてきた。

活動量計は、内蔵した3D(3軸加速度)センサーで計測したからだの動きに加え、性別、年齢、身長、体脂肪率などの生体情報から統計学的な分析を行い、消費エネルギー量などを推定しており、この分析を行う計算式がアルゴリズムであるという。

タニタの活動量計アルゴリズムは、消費エネルギー量計測のゴールドスタンダードとなっているヒューマンカロリメーターと呼気ガス分析装置によるデータ収集による実験を行い、その結果を基に開発され、これにより両装置と高い相関を実現しているとのことだ。

また、同アルゴリズムを搭載することにより、さまざまなデバイスやサービスにおいて高精度で信頼性の高い活動量値を表示できるようになるという。

現在、多様な健康領域のスマートフォンアプリがあるが、スマートフォンに標準搭載されている基本アプリで計測した歩数を使用するもの、スマートフォン内の加速度センサーなどの情報から歩数を導き出すものなど、歩数や消費エネルギー量などの算出方法はさまざま。

同社では、新たに健康領域に取り組む事業者はもちろん、既に歩数や活動量を活用したビジネスを展開しており、より精度の高い計測結果を求める事業者に向け、ニーズに応じて、分析のベースにするパラメーターや用途に合わせてカスタマイズした「タニタアルゴリズム」を提供していくとしている。

なお、同アルゴリズムの第1号案件となるドラゴンクエストウォークは、ダウンロード数1000万を突破している人気ゲームアプリ。

同ゲームアプリに登録した体重、身長、性別、年齢、体脂肪率と、アプリ内で算出される歩数を基にユーザーごとの消費エネルギー量を「タニタアルゴリズム」により導き出し、アプリケーション内の画面で「消費カロリー」として表示する。

同ゲームアプリはウオーキングやランニングなど従来型の運動の継続ができなかった層を含め幅広い生活者にとって健康づくりのきっかけとなってきたが、「タニタアルゴリズム」の搭載によりユーザーはさらに詳細な健康データや健康情報を確認。

楽しみながら健康づくりに取り組むことができるとのことだ。

同社は、今後この事業を推進し、生活者の健康習慣づくりを支援していきたいと考えているとのことだ。