日本テレビ放送網(以下、日本テレビ)は、9月12日プレナス なでしこリーグ1部「日テレ・東京ヴェルディ ベレーザvs INAC神戸 レオネッサ」および9月18日~20日「プロ野球イースタンリーグ 読売ジャイアンツ対東北楽天ゴールデンイーグルス」において、withコロナ時代、5G時代を見据えた新しいスポーツ中継「日テレリモートプロダクション」を実施すると発表した。

従来のスポーツ中継は、試合会場でのカメラ映像を試合会場に出向いた中継車に集約、中継車内にいる制作スタッフがスィッチングやスロー再生を行うことで中継映像を制作して本社に伝送し、それらをテレビ放送やライブ配信を通じて視聴者に届けてきたという。

しかし中継車内は、狭いスペースに複数の技術スタッフ、制作スタッフが交錯する状態にあり、密回避を施すことが困難であるという。

日テレリモートプロダクションは、こうした問題を解決すべく、試合会場のカメラ映像を全て本社に伝送し、中継車内にて行なっていた制作作業を全て撤廃。本社にて中継映像を制作することで、中継車内での密回避、省力化を進めていくものであるとのことだ。

現在、中継車を活用した中継映像制作は効率性、機能性に優れ、世界のスポーツ中継の主流となっているが、中継車内の密回避を施すことは世界共通の課題であるという。

日本テレビは、今回の日テレリモートプロダクションにより、本社設備でのソーシャルディスタンスを保った制作作業、現場スタッフ数軽減化に加え、中継終了後の映像伝送省力化等も進めていくことを想定している。

なお、同施策は、世界中で対応が余儀なくされている密回避、withコロナ時代における新しいスポーツ中継の体制検討に向けた一つの解決策を示すことになるとのことだ。

また、今回のトライアルを経て、日テレリモートプロダクションをさらに進化させていきたいと考えているとしている。

さらに、今後数年で全国的な普及が見込まれている5Gにより、映像の伝送効率が大きく高まることも期待されていることを受け、5G技術の取り込みも随時検討していく予定であるという。

日本テレビでは、今回の日テレリモートプロダクションの実施に留まらず、スポーツ中継の分野においてもデジタル領域を意識した様々な新しい取り組みを進めていくとのことだ。