ブリヂストンは、経済産業省と東京証券取引所が共同で紹介する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020」に選定されたと発表した。

「DX銘柄2020」は、東京証券取引所の上場会社の中から、企業価値の向上につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を「DX銘柄」として、業種区分ごとに選定して紹介するもの。

同社グループは、中長期事業戦略において「2050年、サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンを掲げている。

この実現に向け、業界トップの商品・サービス・サービスネットワークといった「リアル」の強みに、タイヤデータやモビリティデータなどの「デジタル」を組み合わせた同社独自のプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS」をベースに、ソリューションを提供していくという。

また、2021年末には技術開発拠点である同社小平地区を再構築し、イノベーションを通じて新たな価値を創造するグローバル拠点として「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を開設するとしている。

グローバルの各現場から収集した膨大なデータをBridgestone Innovation Parkをはじめとするイノベーション拠点で共有し、より早く、より容易に、そしてより正確に開発・評価を行うシミュレーション技術や独自のアルゴリズム構築による摩耗予測技術の開発を進めているとのことだ。

さらに、得られたデータを次の商品・素材開発やモノづくりの進化へ繋げるなど、イノベーションでソリューションを実現する取り組みを進めるという。

なお、今回の選定にあたり、評価された同社のDXにおける具体的な取り組みは以下。

  1. Webfleet Solutions 活用によるフリートソリューション展開

    2019年に同社グループとなった、欧州におけるフリートソリューション事業のリーディングカンパニーであるWebfleet Solutions(旧Tom Tom Telematics)は現在、欧州を中心に約90万台の車両に輸送運行オペレーションを直接支えるサービスを提供している。

    これらの車両運行データと、同社がこれまで培ってきたタイヤに関する摩耗や耐久などの知見・タイヤデータを組み合わせることで、顧客ごとに最適な商品・サービスの提案など、ブリヂストン独自の幅広いソリューションの提供が可能になったという。

    また、蓄積されたデータをエンジニアリングチェーンにフィードバックすることにより、更なる商品開発が可能となるとのことだ。
  2. デジタル技術活用による革新素材SUSYM(サシム)の開発

    同社が従来から活用している計算科学/シミュレーション技術に加えて、AIやマテリアルインフォマティックスなどの最新デジタル技術を導入することにより、これまで「匠のノウハウ」に依存していた革新素材の効率的開発とその業務変革が可能に。

    これにより、ゴムと樹脂を分子レベルで結びつけた世界初の次世代ポリマー「SUSYM」の開発に成功したとのことだ。