清水建設ら、CO2回収・資源化プロセス確立に向け技術開発と実用化へ

東京大学、大阪大学、理化学研究所、宇部興産、清水建設、千代田化工建設、古河電気工業(以下、共同研究者)は共同で、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ムーンショット型研究開発事業/2050年までに、地球再生に向けた持続可能な資源循環を実現」に係る公募に対し、「電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発」プロジェクトを提案し、採択されたことを発表した。

同事業の委託期間は2020年度から2029年度の最大10年間の計画となっており、電気化学技術を主体とし、400ppm~15%程度の幅広い濃度範囲の気体中CO2濃度に対応し、かつ分散配置が可能なCO2回収・有用化学原料への還元資源化プロセスの開発を目指すという。

具体的には、大気中に放散された希薄なCO2および放散される前のCO2を回収し、再生可能エネルギーを駆動力として、電気化学的に富化/還元し、有用化学原料を生成するプロセスまでの統合システムを開発し、カーボンリサイクルの基盤を構築する。

共同研究者は、今回の事業採択を受け、希薄な濃度に対応可能なCO2回収・資源化に係る革新的技術を産学官の協働により開発するとともに、統合システムの実用化と普及に向けた取り組みを進めるとのことだ。

現在、社会活動により生じる温室効果ガスの中でもCO2が占める割合は非常に高く、地球環境の保全のためには、さらなる温室効果ガス削減が必要となっているという。

日本は、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(2019年6月11日閣議決定)において、2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減に取り組むことを宣言しており、温室効果ガスの削減は、緊急対策が必要な地球規模の大きな問題とされている。

また、2019年に示された「カーボンリサイクル技術ロードマップ(2019.06経済産業省)」においては、CO2を資源として捉え、有効利用する「カーボンリサイクル技術」を通して、排出量を抑制する方針が示されており、革新的な技術開発が求められているという。

このような状況において、NEDOは、ムーンショット目標4「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」の達成を目指す研究開発プロジェクトに着手し、共同研究者が、同研究開発事業の委託先として採択され多とのことだ。

モバイルバージョンを終了