2週間でプレーヤー100万人超え、驚異の映像美で話題沸騰の「マイクロソフト・フライトシミュレーター2020」

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2週間でプレイヤー100万人超えの人気ゲーム「マイクロソフト・フライトシミュレーター2020」

このところ英語圏のメディアやシミュレーター/ゲーム・コミュニティではマイクロソフトが8月18日にリリースした「フライトシミュレーター2020」の話題が盛り上がりを見せている。

WindowsPCとXboxでプレイできる本格的なフライトシミュレーションゲームだ。

Xboxが9月3日に発表したプレスリリースによると、発売開始から2週間でユニークプレーヤー数は100万人を超えた。これに伴い、累計フライト数は2,600万回、飛行距離は地球4,000周分に相当する10億マイルを超えたという。

米CNN、英BBCやガーディアン紙など大手メディアに取り上げられ、高く評価されている同ゲーム。「マイクロソフト・フライトシミュレーター2020」が注目される理由を探ってみたい。

「マイクロソフト・フライトシミュレーター2020」

旅行メディアやBBCも注目する「フライトシミュレーター2020」

マイクロソフト・フライトシミュレーター2020が注目される最大の理由は、そのリアルな風景/映像美といえるだろう。

いくつか存在するフライトシミュレーター系ゲームの中で、圧倒的な臨場感を実現しており、操縦よりも、バーチャル旅行を体験してみたいというユーザーにも魅力となっているためだ。特に海外旅行が難しい現状、後者は少なくないと思われる(筆者もバーチャル旅行目的で同ゲームを購入)。

こうした新作ゲームに関する情報は、ゲームメディアやガジェットメディア、テックメディアが扱うのが常。しかし、バーチャル旅行としても十分に楽しめるポテンシャルを持っており、旅行メディアが同ゲームを取り上げるに至っている。8月6日には、米メディアCNN Travelが「現在最も安全に旅行する方法」としてフライトシミュレーター2020を紹介している。

また、旅行メディアに限らずより広い読者層を持つ一般ニュースメディアが同ゲームを取り上げていることも、同ゲームが広く知られる理由になっているようだ。

8月17日、英BBCが「AIを活用し世界全体をシミュレートしたゲーム」としてフライトシミュレーター2020のレビュー動画を同ウェブサイトで公開。これに続き、8月19日にはYouTubeのBBCチャンネルでも動画を公開した。動画内では、プレゼンターが北朝鮮上空やエリア51上空を飛行。9月4日時点で、このBBCのYouTube動画は116万回再生され、4,000件以上のコメントが付く盛況ぶりだ。

建物15億軒、樹木2兆本、AIが生成するリアルな3Dオブジェクト

BBCの記事が指摘する通り、フライトシミュレーター2020は世界全体をシミュレートしたゲーム。世界200万カ所の都市が再現され、そこにある建物も3Dで描写されている。その建物の数は15億軒に上る。100%の精度ではないが、シンガポールのマリーナベイサンズなど各国のランドマークも再現。離着陸できる空港の数は3万7,000カ所だ。

山岳地帯や海など自然の風景描写も非常に美しい。ゲーム内では2兆本に上る樹木が再現されているとのこと。

これほどの数の3Dモデルを人手で配置するのは不可能。AIが映像美の実現に大きく寄与している。ゲームの開発を請け負ったのはフランスのゲーム開発企業Asobo Studio。一方、風景描写には、オーストリアのAI企業Blackshark.aiの技術が活用されている。

AIで生成された町並み(プレスキットより)

Blackshark.aiは、機械学習とマイクロソフトのクラウドAzureを使い、2次元の地図データから、3次元の地形・樹木・建物を生成。これにテクスチャを付与し、リアルな風景を作り出している。フライトシミュレーター2020で使われる地図データは、2ペタバイトに上る。

同ゲームは、スタンダード版(59.99ドル)、デラックス版(89.99ドル)、プレミアム・デラックス版(119.99ドル)の3種類用意されている。上位版では、スタンダード版にない飛行機と空港の利用が可能となる。

「フライトシミュレーター2020」の楽しみ方

発売から約2週間、YouTubeではフライトシミュレーター2020の楽しみ方を伝える様々な動画が登場している。

ベーシック版に含まれる機体の1つ「エアバス A320neo」。YouTubeチャンネル「320 Sim Pilot」では、本物のエアバスパイロットによるシミュレーターのチュートリアル動画が公開されている。コクピットにあるスイッチの詳細と使い方を説明し、うまく飛ばす方法を伝授。本物のコクピットと若干違いがあるようだが、概ね同じであるとのこと。

別のチャンネル「Squirrel」では、セスナ機サイテーションCJ4を使った大阪から東京への夜間フライトの様子を公開。日本の都市部の美しい夜景を捉えている。

「マイクロソフト・フライトシミュレーター2020」の夜景(プレスキットより)

このほか、ハワイ、バハマ、エジプト・ピラミッド、ペルー・マチュピチュ、アラスカ、北極など、人気観光地や普段行けないような場所が人気となっている。また天候/気象状況もリアルに再現されるため、ハリケーンや台風の中を飛んでみるというシミュレーションも可能。実際にチャレンジするYouTuberも少なくないようだ。

夏休みの旅行ができなかったという人は多いはず。フライトシミュレーターで、バーチャル旅行に出かけてみてはどうだろうか。

[文] 細谷元(Livit

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