大日本印刷(以下、DNP)は、独自の広告配信プラットフォーム「DNP BookAD」のサービスを拡張し、デジタル屋外広告(DOOH)の視認数の推定に向けてSMNが提供する広告配信サービスと連動した「DNP BookAD DOOH」を2020年9月に提供開始すると発表した。
DNPはSMNと連携し、DNPグループが運営するハイブリッド型総合書店「honto」の購買履歴などのデータを基に、生活者の興味に合わせた情報と関連の広告を配信するDNP独自のプラットフォーム「DNP BookAD」や、出版社が運営する雑誌のWebサイトの広告枠に提供する「DNP BookAD for Publishers」のサービスを行っている。
また、これらを組み合わせて、企業等が望む媒体に広告を配信できるよう、広告主と広告媒体が特定の取引を行えるマーケットを構築し運営しているという。
今回DNPは、DOOHの配信サービスを開始し、オンラインのインターネット広告とオフラインの屋外広告を組み合わせたサービスを展開。
これまで企業のブランディング広告に利用されることが少なかったDOOHをオンライン広告と連動させることによって、効果的にブランド価値の向上につなげることができるとのことだ。
さらに、インプレッション(推定到達人数)に基づいた広告取引を可能にする「LIVE BOARD マーケットプレイス」との連携により、企業等が最適な広告枠をリアルタイムで買い付ける「プログラマティック管理・取引」(デマンドサイドプラットフォーム=DSPによる取引)を可能にして、従来の屋外広告(OOH)の課題にも対応するとしている。
OOHはこれまで、規格や計測指標などが統一されておらず、ディスプレーごとに個別管理するなどの作業負荷が高く、時間帯や条件に合わせた広告の切り替え表示が困難といった課題があった。
また、各広告媒体の普及状況を示す「サーキュレーション情報」などから広告を見る機会のある人数を推定して広告配信していたため、Web広告と比べて、ターゲットとなる生活者の絞り込みや効果測定が困難であったという。
こうした課題を解決するべく、今回、以下のような特長を持ったDNP BookAD DOOHを開始。
- 広告を表示するDOOH向けの複数のディスプレーに対して、一元的な管理が可能。
- NTTドコモの携帯電話ネットワーク運用データを基にした人口統計 「モバイル空間統計」やGPSデータ等を活用し、個々のディスプレーについて、時間帯ごとの広告視聴推定到達数を計測。
各広告主がターゲットとする生活者への広告到達率が高い場所や時間を推定しやすくなり、定量的データに基づくDSPによる取引を実現する。 - 従来の年月日の期間指定だけではなく、時間帯も指定した広告配信が可能。
- 天気や気温をはじめとした各種データと連動し、状況に応じた広告表現による配信が可能。
同社は、今後の展開として、同サービスを通じ企業ブランディングの向上につながる新たなデジタル屋外広告のサービスを提供していくという。
また、多様化する広告主の要望に対応してサービスを拡張し、企業のデジタルマーケティングの最適化を支援していくとしている。