東京電力ホールディングスは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発調査研究」に応募し、採択されたことを発表した。

2018年に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」にて、重要施策のひとつとして、再生可能エネルギーの確実な主力電源化へ向けた取り組みが掲げられたことを背景に、今後、各地で急速な洋上風力発電の建設計画が見込まれている。

洋上風力発電の方式のうち、浮体式洋上風力発電は、着床式洋上風力発電と比べて風況の良い沖合での導入ポテンシャルが大きいことから、今後の国内での普及が期待されている。

一方、我が国の厳しい気象・海象条件の中で、浮体式洋上風力発電を導入するためには、信頼性の高い安価な浮体および洋上施工法の確立を中心とする技術開発により、発電コストの一層の低減が求められているという。

そこで、同社は、浮体式洋上風力発電導入に向け、10MW級風車を搭載可能なスパー型浮体の基本設計および施工法の検討を行うとともに、大幅な発電コストの低減が見込まれる技術を抽出した。

同事業では、2022年3月までの2カ年において、洋上風力発電の設計・施工技術に関する知見・経験を豊富に有する五洋建設および東京大学と共同して、抽出した技術の実現可能性やコスト低減の調査・評価等を実施していくとのことだ。

同社は、安定的に電気を届ける事業者としての責任を引き続き果たしていくとともに、同事業を通じた浮体式洋上風力発電の低コスト化技術の調査研究等行うことにより、再生可能エネルギーの主力電源化を進めていくとしている。