伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントの4社は、小売事業者の購買データを活用したデジタル広告配信事業および広告代理店業の展開に向けて、新たに「データ・ワン」を設立することで合意したと発表した。

国内におけるインターネット広告費は2019年に2兆1,048億円と6年連続2桁成長しており、2019年には、初めてテレビメディア広告費を上回ったという。

また、米国での新たな潮流として、大手小売業者が購買データをもとに顧客に応じたデジタル広告を配信するサービスを独立して立ち上げ、収益の多角化を実現している。

データ・ワンでは、ファミリーマートおよび他小売事業者が保有する購買データ、NTTドコモが保有するdポイントクラブの会員データおよび属性情報を用い、オフラインデータとオンラインデータを統合。

これにより、“ID”単位でのターゲティング広告配信から商品購買までの効果検証を可能とする広告商品を開発・販売するという。

オフラインでの購買行動を可視化することにより、顧客にとって最適な情報を提供すると共に、様々なメーカーにも効率的なマーケティング、ブランディングの手法を提供するとのことだ。

また、ファミリーマートやNTTドコモが保有する独自のメディア(アプリ等)やポイントサービスなどを活用した新たな広告商品も開発・展開し、様々な企業におけるマーケティング活動の効果を最大化していくとしている。

各社の役割として、伊藤忠商事は、流通・小売業界における広範なネットワークを活かし、データ・ワンが、スーパーマーケットやドラッグストア等他業態の小売事業者とのアライアンス構築をサポート。

ファミリーマートは、全国約16,500店の店舗網および1日あたり約1,500万人が訪れる顧客基盤を活用した新たな広告事業を構築し、店舗や自社アプリ「ファミペイ」を通じて利用者にとってより有益な情報を届けるという。

また、NTTドコモは、dポイントクラブ会員の属性や嗜好性に関するデータを提供し、ターゲティング精度の高い広告配信を実現。またドコモが展開する各メディアでの広告配信を実現することで、より多くのお客様へ有益な情報をお届けできる環境を提供するとのことだ。

サイバーエージェントは、インターネット広告事業において業界トップクラスの実績をもつ広告商品販売網に加えて、デジタル広告の運用・配信プラットフォームの開発ノウハウや、AI技術の研究開発実績を活かすことで、広告主企業の課題解決およびマーケティング効果の最大化に取り組んでいくとしている。

なお、事業開始は2020年12月を予定しており、出資比率は、アイエフピー(伊藤忠商事が55%およびファミリーマートが45%を出資し、共同で設立する会社)が55%、NTTドコモが40%、サイバーエージェントが5%となっている。

各社は、データ・ワンを通じ、段階的にスーパーマーケットやドラッグストア等他業態の小売事業者ともアライアンスを組み、購買データの幅・質を向上させることで、広告商品の独自性を高めることに取り組んでいくとのことだ。