JALは、ドローンなどの無人航空機を、安全に管理・運航できる人財の育成のための講座「JAL Air Mobility Operation Academy(以下、JAMOA)」を10月5日から運営開始すると発表した。
JAMOAは、日本で初めて、航空機のパイロット訓練のノウハウを活かした座学カリキュラムを提供し、安全に無人航空機を管理・運航できる人財を育成するという。
講習内容は、Non-Technical Skills 講習とTechnical Skills 講習、また、姿勢、知識としており、特に重要なのがNon-Technical Skillsであるとのことだ。
目視外飛行(レベル3,4)の実現にも有益で、有人機パイロットの必須スキルとなる、「Human Performanceに関する知識とスキル」を無人航空機オペレーター向けにカリキュラム化。より一層の安全確保に向けて必要な知識や技術を紹介するとしている。
また、有人機パイロット(JAL運航乗務員、元航空自衛隊戦闘機パイロット)だからこそ伝えられる「安全最優先の重要性」を、今までの経験やヒヤリハットから得られた教訓を交えて教示。
一方、Technical Skills 講習は、実際の現場では事前にどのような準備が必要か、当日の持ち物、何に気をつけるべきか、という点に加え、予期せぬトラブルが起こった際どのように対応していくのかなど、パートナー企業の実務経験に基づき紹介。
無人航空機活用ソリューションの現場経験が豊富で、決して評論家では無く、無人航空機で実現できないこと・無人航空機でやるべきではないこと、をしっかりと説明・判断できる無人航空機の運用プロフェッショナルが教示するとのことだ。
ドローンをはじめとする無人航空機は、新たな生活様式への対応や新型コロナウィルスの感染リスク低減に向けた取り組みでの活用が期待されているという。
今後、無人航空機のオペレーターは、安全運航を実現する技術と、リスクを事前に察知し、回避する高い安全意識がこれまで以上に求められるとのことだ。
JAMOAの座学カリキュラムでは、現代の航空機事故や不安全事象における主な要因であるヒューマンエラーの防止に効果的な、最新のパイロット訓練ノウハウを応用したプログラムを提供。
無人航空機の産業利用に必要な操縦技能や活用技術などのTechnical Skillsを学べるコース、認知力・判断力・コミュニケーション力といったNon-Technical Skillsの能力向上を図る3つのコースを用意し、無人航空機を安全に管理・運航できる人財の層を厚くしていくことを目指しているという。
JALは、これまで「ドローンPROパイロット技能認定会」への協賛やドローンおよび無人ヘリコプターを活用した実証実験などを通じ、無人航空機のオペレーションに必要な技術や知識について研究を重ねてきた。
航空会社として安全運航を堅持する中で長年培ってきた、運航面・人財育成面でのノウハウを、今後、無人航空機をはじめ次世代エアモビリティの進歩発展に向けた運航プラットフォームの構築に応用し、日本の空の安全に貢献していくとしている。