ソフトバンクは、物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を目的に、IoT宅配ボックスサービスの事業化に向けた実証実験を行うことを発表した。
パナソニックおよびビットキーの協力の下、両社が共同開発したIoT宅配ボックスを用いて実証実験を行い、2020年度内の事業化を目指すとしている。
実験は、9月上旬~11月上旬を予定しており、対象者は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県に在住するソフトバンク社員。
ソフトバンクが自社の社員を対象にIoT宅配ボックスおよび専用アプリを提供し、システムの実用性やユーザーの利便性を検証する。
使用する宅配ボックスはパナソニックとビットキーが共同開発したもので、専用アプリとBluetooth®で接続して操作することにより解錠可能。
耐久性・耐候性に優れ、工事不要で設置できるパナソニックの宅配ボックスに、ビットキーの高セキュリティーなデジタル認証技術を活用した鍵の開閉機能を備えることで、ユーザーの利便性と安全性を確保するとしている。
また専用アプリでは、宅配ボックスの解錠の他、荷物の配達予定日時や配送状況の確認などを行うこともできる。
近年、物流業界では、労働人口の減少により配達員が不足する一方で、ECの拡大により宅配便の取扱個数が増加し、高い再配達率が深刻な課題となっているという。
また新型コロナウイルスの影響拡大を受けて非対面での受け取りニーズが高まる中で、「置き配」の普及に伴う盗難被害なども問題視されるようになり、防犯性に優れた宅配ボックスの需要が高まっているとのことだ。
今回、ソフトバンクはIoT宅配ボックスサービスの事業化を通して荷物の「受け取り方改革」の実現を目指すことで、物流サプライチェーン全体の効率化に向けた取り組みを加速するとしている。
新事業において、主に一戸建ての居住者向けに、初期費用不要のサブスクリプションモデルによるIoT宅配ボックスサービスの提供を目指す。
スマートフォン向けの専用アプリを使ったBluetoothによる解錠機能の他、集荷を伴う他のサービスとの連携なども視野に入れており、住宅業界や家庭向けインフラ業界と協力した販売活動などを検討する方針を示している。