三菱総合研究所は、自社で企画・運営する「未来共創イノベーションネットワーク(以下、 INCF)」におけるSIG活動成果の1つとして、主に製造業などハードウェアを取り扱う事業を対象としたサブスクリプション型事業企画のためのチェックリストを公開したと発表した。
事業変革を企図する企業を対象に広く公開し、各社の国際競争力強化に向けたイノベーション創出に貢献するという。
昨今、DX時代を牽引するビジネスモデルとしてサブスクリプションは注目されている。モノからコト、所有から利用へと消費行動が大きく変容する中、商品購入後の利用状況に積極的に関わることで、継続的に顧客価値を創り出し、同時に収益機会の極大化を目指すモデルであるという。
狭義には「課金モデル(定額、従量)」「ネット系新サービス(例.動画見放題)」などと解されるが、本質を理解すれば、業種や業態、商材、流通チャネルなどの特性に応じたサブスクリプション化が可能であるとのことだ。
INCFでは、サブスクリプション型事業のプラットフォーム提供を手掛けるビープラッツ(INCF会員)を中心に、2019年11月に新規SIGを立ち上げ。
同社が提唱する第3世代サブスクリプション(SMARTサブスクリプション)を活用するための理論と実践について検討を重ねてきたという。
参加企業(製造業を中心に全8社)によるケースワークをもとに、より具体的、実践的な検討を行い、BtoBビジネスにおけるサブスクリプション化の可能性に着目。従来の商品を中心に据えたモノの流れの管理から、顧客を中心に据えた利用の流れを管理するモデルへの転換について課題と可能性を深く議論したとしている。
また、製造業などのハードウェアを伴う事業では、サブスクリプションとして顧客との継続的なリレーションを構築・運用することと、ハードウェアの出荷・在庫管理を行うことを相互に連携させる必要があるとし、回これをSSB-H(SMART Subscription Business with Hardware)と呼び、この事業企画に必要なフレームワーク、検討ステップと併せ21項目のチェックリスト(「SSB-H Checklist21」)を整理。
付録として、チェックリストに基づいた事業企画・開発について架空の企業を想定した利用事例をケースとして収録しているとのことだ。
同チェックリストは、オープンイノベーションの発想に基づき、事業変革を企図する企業を対象に広く公開されるとし、同社は、各社が進めるイノベーション創出に活用されることを期待しているとしている。