「TikTok」運営会社のByteDanceは、米国でTikTokを禁止する政府の取り組みに対し、連邦裁判所に異議の申し立てを提出したと発表した。

従来から透明性を重視してきたという同社は、なぜこのステップを踏んでいるのかを説明している。

現在、米国では、約1億人が、エンターテイメントやインスピレーション、コネクションを求め、TikTokを利用しているという。

さらに、米国全体で1,500人を超える従業員が毎日このプラットフォームを構築することに注力しており、カリフォルニア州、テキサス州、ニューヨーク州、テネシー州、フロリダ州、ミシガン州、イリノイ州、ワシントン州でさらに10,000人の雇用が計画されているとのことだ。

8月6日に行政が発出した執行命令は、極端な行動を正当化する証拠がなく、正当な手続きなしに、コミュニティの権利を剥奪する可能性があるとし、同社は、政府を軽く訴えることはないが、権利やコミュニティ、従業員を守るために行動せざるを得ないと感じているとしている。

米国の行政命令は、アプリケーションが中国政府によって操作される可能性があるという推測の可能性のためにTikTokを禁止することを目指している。

しかし、米国政府が認識しているように、同社は、米国ユーザーデータのプライバシーとセキュリティーを保護するために、データを中国国外（米国およびシンガポール）に保存させることや、米国ユーザーデータを他のByteDance製品のユーザーデータとは切り離して保管するソフトウェア障壁を構築することなど、特別な措置を講じているという。

また、TikTokは、同社の安全保障慣行を文書化し、考えられる米国政府のプライバシーや国家安全保障上の懸念に対処するのに十分以上のコミットメントを行ったことを示す膨大な文書を米国政府に提供したとのことだ。

同社は、米国市場にサービスを提供するという同社の取り組みを実証するために行ってきた努力を、米国政府が無視したと確信していると明確化。

さらに、今回の訴状では、8月6日の大統領令がIEEPAの誤用であることも指摘しており、米国への外国投資委員会（CFIUS）に提供するために行ったほぼ1年に及ぶ努力についても、詳細な情報を提供しているという。

同社は、これらを明確にするためには、訴訟よりも建設的な対話を望むとしているが、米国での事業を禁止する「執行命令」を受け入れることは、多くの従業員の解雇など取り返しのつかない損害を与えることになるため、同社には選択肢がないとしている。