松山市と日産自動車、日産の販売会社である、愛媛日産自動車、日産プリンス愛媛販売の4者は、「電気自動車(EV)を活用した持続的なまちづくりに関する連携協定」を締結したと発表した。
同協定の概要は以下の通り。
環境対策: EVの普及促進と市民の環境意識の向上
・松山市が運営するクリーンセンター(清掃工場)にEVの充電器を導入し、EVの更なる普及に取り組む。
・4者は、EVの普及啓発を行うほか、松山市のイベントでEVからの給電デモを実施するなど、電気自動車は「走る蓄電池」として活用できることを市民へ積極的にアピールしていく。
防災・災害対策:災害時におけるEV活用による市民の安全確保
・日産は、松山市で災害発生を起因とする停電が発生した際または災害が起こりうる状況で市からの要請があった際に、松山市が指定する避難所等に、愛媛日産および日産プリンス愛媛販売の店舗に配備しているEV「日産リーフ」を無償で貸与する。
・4者が協力してEVからの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、効果的に被災者支援を行い、市民の生命および身体の安全を守る。
観光業の活性化: EV普及を通じた観光業の活性化
・4者は、松山城や道後温泉周辺等の松山市内観光地の充実したEV充電器設備に関して、EVで旅行しやすい場所として共同で告知し、環境に配慮した観光業の活性化を図る。
次世代モビリティの導入
・松山市、日産自動車は、次世代モビリティの導入に関して検討を進め、相互連携を図っていく。
松山市は、SDGs未来都市として持続可能な社会の実現を目指し、「松山市SDGs推進協議会」を設置し、官民連携で環境や防災など地域の複数課題の解決に取り組んでいる。
また、環境モデル都市として「ゼロカーボンシティまつやま~誰もが安心して住み続けられるスマート シティ~」を基本理念に、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロの社会を目指しているとのことだ。
さらに、日本最古の名湯といわれる道後温泉や松山城など魅力的な観光地を多数有し、観光都市として、環境にやさしいまちづくりを推進しており、観光および環境対策の一環として、道後温泉周辺や松山城にEVの充電器を設置。
観光客がEVで訪れやすい環境を整備するなど、EVの普及促進にも努めているという。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表。その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、EV普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。
また、ブルー・スイッチ活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
なお、今回の協定は、日産が推進するブルー・スイッチ活動と、松山市が推進するゼロカーボンシティまつやまなど持続可能な社会の実現を目指す活動に、双方が互いの取り組みに賛同し、締結を行う運びとなったとのことだ。
松山市と日産自動車は、今後もこの協定締結を機に、温暖化対策の推進、災害に強いまちづくり、観光業の活性化、更には、EVの普及を通じた様々な地域課題の解決に向けて連携を強化していくとしている。