凸版印刷はオリンピックの公式化学会社であるダウ社と共同で、再生可能な装飾メディア「ecocracy(エコクラシー)」を開発した。8月21日より販売を開始するとしている。

ecocracyは、競技会やイベントに使用される装飾メディアで、終了後に回収しウッドデッキ材や植木鉢など、記念品として再生することが可能だという。

ダウ社がもつ、優れた光学適性と加工性を兼ね備えたポリオレフィン樹脂は、従来のターポリン性の装飾メディアと比較して複数のプラスチック素材を使用していないため、再生樹脂としてリサイクルが容易になっている。

再生樹脂を木粉や添加物と混合し、ベンチや床などのウッドプラスチック製品や再生プラスチック製品などにマテリアルリサイクルが可能。

凸版印刷はecocracyに使用するシートの生産と印刷・加工を行うとともに、イベント会場からの回収、再生樹脂としてのペレット化、成型品の生産、成型品の販売までを行うとしている。

従来、競技会やイベントなどで使用される横断幕などは、ポリ塩化ビニル樹脂を含む複数のプラスチック樹脂を使用し生産されているため、リサイクルが困難で、多くは産業廃棄物として埋立処理されていたという。

今回、その課題に対してダウ社の持つプラスチック材料に関する知見と、凸版印刷が持つ加工技術を合わせることで、リサイクルが可能になったとのことだ。

同社は今回の共同開発から得た、マテリアルリサイクル製品の製造技術を活用するとともにさらなる研究をすすめ、さまざまなフィルム製品や成型品を開発していく方針を示している。