商船三井は16日、WAKASHIOの座礁および油濁発生についての現状を公表した。

同社が長鋪汽船の子会社(以下、船主)からチャーターし、ブラジルから鉄鉱石を運ぶ予定であった、ばら積み貨物船WAKASHIOはインド洋航行中のモーリシャス島沖で座礁により自力航行不能に陥り、救助作業中の現地時間8月6日に燃料油が流出。

現地時間8月15日の14:00に、同船は2つに分断したことが確認された。

同船は座礁した現地時間7月25日時点で、燃料としての重油約3,800MTと軽油約200MTを保有していたという。

現地時間8月15日夜時点で、油濁の防除の状況として、既に船外に流出した油約1,000MTを除き、同船上に残っていた燃料油(推定約3,000MT)は現地時間8月12日までにほぼ全量を回収できたと見られると報告している。

また燃料油以外の潤滑油や残渣、約100MTについては現地時間8月14日までに部分的に回収されていたと船主から報告を受けたとのことだ。

「これらの未回収の油が船外に一部流出した模様だが、限定的と推定される」と同社は述べている。

現在も油混じりの海水が陸上に漂着することを防ぐべく、船の周りに敷設された防除資材により回収が進められている。

既に陸上に漂着してしまった油は、船主が手配した油濁清掃業者と関係当局や地元の人々の協力により回収が進められているという。

また、同船については、船体やや後方の8番貨物艙付近の亀裂が進行し、2つに分断。

船主からの情報によれば、当局から船体前方部分を沖に曳航するように指示を受けているとのことだ。

船体後方部分の処置については船主が関係当局と協議していると公表した。

座礁事故の原因については、乗組員に対する捜査当局の聴取が完了した後に、船主が聴取を行う予定。

なお、同社が、船主と共に当局との連携、情報収集、油濁拡大防止、流出油回収の支援を目的に、派遣した人員は現地に到着しており、現地の新型コロナウィルスの感染拡大防止策に基づき、現地時間8月12日に入国してから8月26日までの最短14日間は外出制限される。

外出制限中は、各相手先との情報収集・折衝と、具体的行動計画の検討に注力しているという。

3度のPCR検査の結果が陰性であることが確認された後に活動を開始予定とのことだ。

同社は引き続き、モーリシャスおよび日本の関係当局と連携して、船主と共に早期の事態解決に向けて取り組んでいくとしている。