シャープは、ローカル5Gに対応したルーターの試作機を開発したと発表した。ローカル5Gの実証実験やネットワーク検証用として、2020年9月以降に提供開始予定であるとしている。

ローカル5Gは、企業や自治体が、自らの敷地内や工場内、農場など、特定のエリア限定で構築できる5Gネットワーク。

高速大容量、低遅延、多数同時接続など、5Gの特長を生かしながら、個別ニーズに応じた独自のネットワークを構築できるため、建設現場での建機遠隔制御や医療施設での遠隔診療、生産効率を高めるスマート工場など、さまざまな用途での活用が期待されているという。

シャープは、同機を介してカメラやFA機器、各種センサーなどを無線または有線でローカル5Gのネットワークに接続することで、大容量データを超高速で伝送することが可能となり、受信時最大約3Gbps/送信時最大約600Mbpsの超高速データ通信を実現したとしている。

また、Wi-Fi6対応のほか、2.5GBASE-TのLANポートやUSB3.0を搭載するなど、無線、有線ともに接続機能が充実。無線と有線の同時使用も可能なので、利用シーンや端末に応じた接続方法が選べることが特徴であるとのことだ。

さらに、同機は、ローカル5Gの周波数として2019年12月に制度化された「28.2-28.3GHz」に加え、今後の割当てが検討されている「28.3-29.1GHz」「4.6-4.9GHz」にも対応。周波数の拡大も見据え、幅広いネットワークの検証に活用できるという。