AGCが現地100%子会社であるAGC Biologics Italy S.p.A.を通じて実施していた、Molecular Medicine S.p.A.(以下、MolMed社)の株式公開買付期間が、7月24日(イタリア現地時間)をもって終了したと発表した。
6月1日に開始した公開買付期間中の応募株式は、432,083,197株に達し、これは公開買付対象株式の93.23%に相当。株式対価の支払いは7月31日を予定しており、直ちにAGCグループの連結子会社となるとのことだ。
また、その後、追加買付期間を経て、上場廃止となる。
遺伝子・細胞治療は、遺伝子、または遺伝子を導入したヒト細胞等を人体に投与する治療法で、現在注目されている最先端医療のひとつ。発展はめざましく、現在世界中で進行中の治験数は既に約1000件を超え、CDMO(※)市場も高い成長が見込まれているという。
MolMed社は、自社の創薬を起点に、細胞加工・ベクター製造等のプラットフォーム技術を確立している。大手製薬やバイオテック企業に対して、GMP対応の遺伝子・細胞治療薬CDMOサービスを提供しているとのことだ。
また、AGC Biologicsは、日本・米国・欧州の世界三極で、動物細胞と微生物を用いたCDMOサービスを提供しており、すでにドイツでは、遺伝子・細胞治療薬の原料であるプラスミドの製造受託を事業化。
MolMed社とAGC Biologicsは、大きなシナジーを発揮することが見込まれており、MolMed社の高品質な遺伝子・細胞治療薬CDMOサービスをAGC Biologicsのグローバルネットワークに組み入れることで、より大きな事業成長を見込んでいるという。
AGCグループは、今回の買収により、成長著しい遺伝子・細胞治療領域にまでCDMO事業の幅を広げグローバルに展開することで、製薬会社、患者様、そして社会に貢献していくとのことだ。
(※)CDMO:製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社 (Contract Development & Manufacturing Organization)