ひおき地域エネルギー、京セラ、日立パワーソリューションズの3社は、鹿児島県日置市でのマイクログリッドにおけるエネルギーマネジメントに関する共同研究契約を、7月27日に締結したと発表した。
3社は、今回の共同研究を通じて、日置市の協力のもと、再生可能エネルギーの地産地消による地域の脱炭素化や、地域電力事業者を通じた地域経済循環の拡大、また災害時の電力供給に貢献するための電力需給技術の構築を目指すとしている。
日置市では、同市に深く関連する企業や団体、個人の出資によって2015年に設立されたひおき地域エネルギーが、持続可能な地域社会の形成を目指して、2016年7月から日置市を中心に家庭や企業への電力の供給を開始。
2019年3月から2つのエリアにおいて太陽光発電システムやコージェネレーションシステムを組み合わせたマイクログリッドの運用を開始している。
今回対象となるエリアでは、これまで自営線で結ばれた需要家に対してグリッド内に設置した太陽光発電システムで発電した電力を供給する一方、残りの不足電力を日本卸電力取引所(JEPX)などから調達していたという。
共同研究では、対象のエリアに産業用蓄電池と地域電力向けのエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入。
太陽光発電の余剰電力の有効活用やピークカット制御、インバランス調整による電力コストの最適化を行うことにより、再生可能エネルギー比率の向上と地域経済循環の拡大を目指すとしている。
また、太陽光発電の電力を産業用蓄電池に貯蔵することで、災害時に日置市施設への電力供給を可能にするレジリエンス機能としての有効性を検証するとのことだ。
なお、今回の共同研究において、京セラは産業用蓄電池の設置と地域電力向けのEMS開発を担当。既設マイクログリッドの設計・施工を担当した日立パワーソリューションズは、蓄電池システムの設計を担当し、ひおき地域エネルギーがシステムの運用を行うとしている。
同研究による実証実験は、日置市と連携して2021年2月より1年間実施。
3社は、今回の共同研究を通じて、再生可能エネルギーの地産地消による地域内での電力の安定供給化と地域経済循環の拡大を実現し、日置市などの市町村の活気ある街づくりに貢献するとのことだ。