東京女子医大とNTTドコモ(以下、ドコモ)は、商用第5世代移動通信方式(以下、商用5G)を活用した遠隔手術支援システム、及び移動型スマート治療室「SCOT®」を用いた実証実験を10月に実施することを発表した。
商用5Gをかいしてスマート治療室と遠隔地の専門医を接続し、高精細な手術映像など大容量データの双方向通信を検証する。
これにより、緊急の脳外科手術などで熟練医が不在の時や感染症などで入室可能な医療スタッフが限定された状況でも遠隔から手術支援を行うことが可能になるとのことだ。
実験では、IoT 技術を活用して各種医療機器・設備を連携させるスマート治療室「SCOT」を活用。
東京女子医科大にあるスマート治療室と、専門医がいる「戦略デスク」を商用5Gと「ドコモオープンイノベーションクラウド」で接続。
スマート治療室内で脳外科手術を行う執刀医の手元映像や、4K外視鏡の高精細映像などの大容量のデータを、専門医のいる「戦略デスク」へリアルタイムで送るという。
遠隔の専門医が手術の状況を俯瞰的に確認し、手術時の指導や支援を行う。
また、移動型スマート治療室「モバイル SCOT」と専門医がいる「戦略デスク」を商用5Gで接続し、車載医療機器の高精細リアルタイム画像伝送実証も行う予定とのことだ。
データの伝送には、ドコモのクラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」を使用。
これにより手術のデータを高セキュリティに、また大容量データを低遅延で伝送することが可能。
スマート治療室内の複数の医療機器データ管理は、医療情報統合プラットフォームの「OPeLiNK(オペリンク)®」を活用する。
東京女子医大とドコモは、社会問題化している医療スタッフ不足や医師偏在の解消による医療水準の高度均てん化や先端技術の導入による医療分野でのデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献していくとしている。