三菱重工業は20日、H-IIAロケット42号機でアラブ首長国連邦(UAE)ドバイの政府宇宙機関であるMBRSC(Mohammed Bin Rashid Space Centre)の火星探査機 「HOPE」の打上げに成功したことを発表した。
ロケットは計画通り飛行し、打上げ後約57分で衛星分離が確認されたとのことだ。
この火星探査ミッションは、UAE建国50周年を迎える2021年に中東初となる無人探査機の火星到着を目指すものだという。
アブダビやドバイなど7首長国によるUAE連邦政府が2014年7月に設立したUAE宇宙庁(UAE Space Agency)が統括し、MBRSCはHOPEの設計等技術面の取りまとめを行っている。
H-IIAロケットは日本の基幹ロケットであり、世界でも最も信頼性の高いロケットの一つとしている。
今回の打上げ成功で、H-IIAとH-IIBロケットの打上げは合わせて45回連続の成功となり、打上げ成功率は98.0%に達したとのことだ。
同社執行役員で防衛・宇宙セグメント長の阿部直彦氏は「HOPEが無事にミッションを完遂し、新型コロナウィルス(COVID-19)で世界が難しい状況にあるなか、人々に明るい気持ちと希望をもたらしてくれることを祈念します。」とコメントしている。
同社は今回の打上げ成功をさらなる弾みとして、国内外の衛星打上げ輸送サービス市場で積極的に営業活動を展開し、日本の自在的な宇宙活動を支える産業基盤の確立に中心的な役割を果たしていく方針を示している。