Facebookは16日、2020ダイバーシティに関する年間報告書を公開した。
同レポートでは、同社の従業員におけるダイバーシティを改善するために取った多くのステップの概要を示している。
同社は、人種的正義のために役立つプロダクトを構築すべく、2021年には、さまざまなサプライヤーとの協力に10億ドルを投じることを約束している。
これには、黒人が所有する企業との1億ドルの協力と広告枠の提供も含まれているという。
また、米国の黒人の中小企業、クリエーター、非営利団体などに、その他の金融投資に1億ドルを拠出することも約束。
投票においても、Facebook社は今秋の選挙に先立ち、米国史上最大の有権者登録および情報のキャンペーンを開始したとしている。
その他同社が従業員の多様性改善のため実施してきた施策としては、2014年から2020年にかけて、非技術職の従業員のうち、米国における黒人の割合は2%から約9%に増加し、ヒスパニック系の割合は6%から約11%に増加したという。
技術職の数は比較的横ばいであり、最も顕著な実績としては、技術職の女性が15%から24.1%に増加したこととしている。
また、技術的な役割を担う黒人とヒスパニック系の人々の割合は増加傾向にあるが、技術職の黒人は1%から1.7%の増加、ヒスパニック系は3%から4.3%の増加と、非技術職の増加率に比べると遅れているとの見解を示している。
技術分野においても、全体においても、彼らのような従業員を増やしていくことは、短期的及び長期的な注力として取り組んでいくととのことだ。
また2019年同社は、「50 in 5」という目標を設定。これは、2024年までに、私たちが雇用する従業員のうち、少なくとも50%をマイノリティと呼ばれる人々にするというもの。
これにより、全世界のFacebook社で働く女性の従業員数を2倍にし、米国では黒人とヒスパニック系の従業員数を2倍にすることを目指すとしている。
昨年、この目標を発表したとき、従業員のうち43%がマイノリティだったが、彼らが占める割合は現在では45.3%になっている。
Facebook社は、誰もが尊厳をもって機会を得られる、つまり、人々が同じ仕事に対して同じ賃金を得られる職場づくりを目指しているという。
同社はこの1年間で、多様性の受け入れを高めるためのパフォーマンスシステムの改善、差別やポリシー違反の報告ルートの追加、悪意のない差別的言動(マイクロアグレッション)に関して、Facebook社のカルチャーや環境づくりの重要な役割を担うリーダーへの報告ツールの立ち上げなど、多くの変更を実施。
また、ダイバーシティ&インクルージョン部門を強化して、COOと直属の体制とし、CEOの上級幹部会議に出席することで、すべてのリーダー層の意思決定において多様性の受け入れが中心となるようにしたとのことだ。
人種的不正に対抗するためのワークストリームを構築し、製品開発におけるインクルージョンと公平性の確保に向けて専任のチームも編成。
Facebookは、社員全員が配慮され、耳を傾けられ、評価される企業、そして誰もが尊厳を持って機会を与えられるグローバルコミュニティの構築に向けて、今後も全力で取り組んでいく方針を示している。