ALSOKと東武タワースカイツリーおよび東武タウンソラマチは、東京スカイツリータウン内にて、日本初のGPSを使用することが困難な屋内での運用を可能にしたAI搭載の完全自律飛行ドローンを活用した警備システムの実証実験を実施したと発表した。

ALSOKは、画像巡回を可能にする以下のような特徴を有したドローンを開発しており、屋外およびGPSによる飛行が困難な屋内において人の手を介さない完全自律運用が可能だという。

(1)搭載した4Kカメラを用いて全方向の画像処理をリアルタイムに行い、屋内での完全自律飛行が可能
(2)離隔距離最小50cmの狭い空間での飛行が可能
(3)障害物を自動で回避可能
(4)充電ポートに自動で離発着および充電が可能
(5)リアルタイムに遠隔地へカメラ映像を送信可能
(6)AIエッジコンピュータを搭載し、ドローン単体で人物などの検出が可能

今回ALSOKは、施設警備業務(常駐)を担当する東京スカイツリータウン内にある、世界一高い自立式電波塔「東京スカイツリー®」の展望台および都内最大級の店舗数を誇る大型商業施設「東京ソラマチ®」において、完全自律飛行ドローンによる巡回警備を実施。

天望デッキおよびソラマチ商店街に設置したドローンポートからドローンを完全自律飛行させ、以下の項目を検証し、ドローンの有用性を確認した。

(1)スムーズなフロア間移動
(2)巡回ルート上のチェックポイント通過
(3)飛行中のリアルタイム映像配信
(4)飛行中のAIによる人物検知

複数のドローンが順次自動巡回し、リアルタイム映像を警備室に送信することで、一つの施設内の広い範囲を少ない警備員で効率的に監視することが可能になるという。

ドローンは今後法制化されるセルラードローンとしての活用も見据えており、将来的にはドローンにLTE通信モジュールを搭載することで、大型商業施設の巡回や社会インフラの点検等、複数拠点の業務を一つのガードセンターで遠隔から監視および駆けつける体制の構築を目指すとのことだ。