NECとクラフトビールメーカーであるコエドブルワリーは、人とAIの協調による世代間コミュニケーションの促進を目的に、トレンドを反映する雑誌記事をAIで分析し、世代の特徴を表現したクラフトビール「人生醸造craft」を開発したと発表した。

人生醸造craftの開発には、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」を用い、小学館提供による雑誌のファッション画像と文章を分析。

1980年代から現在までの雑誌データをもとに、20代から50代までの人生を学習し、捉えた世代別の特徴をイメージ生成。これを味の指標に変換している。

これにより、クラフトビールを楽しむ順番として一般的な「色・香り・味」の3ステップを数値化し、ビール職人が20~50代の4世代の特徴を4種類のクラフトビールとして表現したという。

「色」は、各年代において20代の頃に発行された雑誌の画像を参考に表現。画像処理AI技術を活用し、ファッション画像を学習データとして取り込んで、服のイメージ画像を生成。時代のトレンドカラーをクラフトビールの色として職人が表現したとのことだ。

「香り」は、各世代の20代から現在までの中間となる10年間に発行された雑誌の文章を参考に表現。自然言語処理AI技術を活用し、単語の意味情報を取り込んで学習データとした上で、文章に登場する意味が近い単語の発生割合に応じてフルーティー、キャラメル、フェノールなどの香りを数値化。これをもとに、クラフトビールの香りを職人が表現している。

「味」は、各世代が今読んでいる雑誌の画像を参考に表現された。小学館の担当者が、ファッションテイスト(色の系統・甘め/辛めスタイル・フェミニン/コンサバ系など)と味の指標(甘味・苦味・酸味・ドライ)を紐づけ、NEC the WISEのディープラーニングAI技術RAPID機械学習で、ファッション画像を分析し数値化。これをもとに、クラフトビールの味として職人が表現している。

なお、同企画はNECが、AIによる味覚予測シリーズとして、名作文学の読後感をAIで分析しコーヒーの味わいで再現したブレンドコーヒー「飲める文庫」(2017年発表)や、2018年の新聞記事をAIで分析しその時代のムードをチョコレートの味わいで再現した「あの頃は CHOCOLATE」(2018年発表)に続く第3弾商品となっている。