d.a.t株式会社は7月7日、無断でWeb上に複製・転載されているデジタルコンテンツを、AIが自動で検知し削除申請までをサポートする、コンテンツ著作権侵害抑止サービス「Righ Tect(ライテクト)」のリリースを発表した。新型コロナウイルスの影響もあり、世の中的にDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用が進みつつある。そのなかで、自社が保有するコンテンツなどを積極的にオンラインで活用・公開する動きが増えていくとd.a.t.は予想しており、RighTectを通じてコンテンツ権利侵害対策強化をしていく。

無断転載をAIが自動で検出 健全なコンテンツの流通へ

昨今、写真やマンガなどのコンテンツがインターネット上に複製され、著作権侵害となるケースが増加している。文章や映像に関する著作権などの諸権利を持つ、出版社、レコード会社、配給会社、テレビ局などのコンテンツ所有者にとって、個人のブログやTwitterなどへの投稿、海賊版サイトへの対応は喫緊の課題となっている。ところが、自社のコンテンツが不正に複製・転載されていても、コンテンツ所有者がそれらを発見し、ひとつずつ削除申請をするのは膨大な時間と手間がかかってしまう。

そこで、d.a.tのRigh Tectでは、無断でWeb上に複製・転載されているデジタルコンテンツをAIが自動で検知し、削除申請までをサポートする。

Righ Tectは、識別AIを活用することでWeb上から自動収集した写真、漫画、動画、記事テキストなどのデータとオリジナルのデータを比較する。これにより、不正に転載されているコンテンツを自動で検知し著作権の侵害抑止に役立てる。

以下は、d.a.t株式会社が独自に開発した同一性判定の識別AIだ。

元画像を加工したり一部を切り取ったりした画像、さらには元画像をスマートフォンで撮影した画像についても同一性を判断できる。

左右反転、トリミング、カラー変更の同一性判定

別の画像のコラージュ画像の同一性判定

画像の一部切り抜き、スマホ撮影画像の同一性判定

d.a.tが事前に実施した検証では、オリジナルの写真、漫画画像に対し、それらを加工した画像で同一性を判定させ、95%以上の精度で一致を検出したという結果が出ている。

d.a.tでは、Righ Tectを活用して著作権侵害の対策を強化し、健全なコンテンツの流通に貢献していく。

まんがの特徴ごとに分類するAI 読みたいジャンルが見つかりやすく

画像解析AIでは違法転載の検出だけでなく、漫画を特徴ごとに分類することも可能だ。

株式会社イーブックイニシアティブジャパンは5月22日、同社が運営するまんが・電子書籍販売サイト「ebookjapan」において、まんがのタグ付け自動エンジンを構築したと発表した。このエンジンには画像解析だけでなく、自然言語処理などのAI技術も使われている。

ebookjapanにおけるタグとは作品の属性や特徴を短い言葉で表すフレーズのことだ。例えば、「冒険」、「ファンタジー」などが挙げられる。ebookjapanでは、2020年4月時点、各作品と合致する合計500個以上のタグを、合計約12万作品以上と紐づけている。

イーブックイニシアティブジャパンは、人工知能を活用し、まんがのテーマやストーリーを読み解くためのAIモデルを構築した。このAIモデルによって作品ごとに最適なタグを短時間かつ高精度に予測できるようになっている。