迅速かつ正確な検知が可能に
フォースは、不正事案を含めた過去の膨大なデータをAIに機械学習させることで、保険金・給付金の請求が正当なものか判断するソリューションだ。
メットライフ生命は、顧客からの保険金・給付金請求を処理するにあたり、さまざまな疾病やケガの治療による請求理由のなかから、不正請求を事前に検知している。
従来、メットライフ生命では熟練した査定者が時間をかけて不正請求を検出していたが、同サービスを導入したことで、迅速かつ正確に検知できるようになった。そして、熟練した査定者は、より複雑な請求に注力することが可能となり、顧客の保護と査定業務において高い精度と効率化を目指していく、とプレスリリースでは見解を示している。
メットライフ生命の執行役常務 オペレーションオフィサー福島太郎氏は、下記のように述べている。
「従来、多くの作業時間が必要であったり、人が見つけにくかった事例が、今回のAIを使った技術で、業務のイノベーションが可能になりました。今後もITを使って、顧客サービスの向上とリスク管理の強化を進めていきたい」
メルカリ 不正取引をAIが検出
メットライフをはじめとする多くの企業で、AIを活用して仕事の業務を効率化しようとする取り組みがみられる。
メルカリは2019年5月、機械学習と「ネットワーク解析」と呼ばれるデータ解析方法を用いて不正取引を検出する研究成果を、ネットワーク科学の主要な国際会議「NetSci 2019」で発表した。
メルカリはもともと、AIを活用した利用規約違反の商品・取引を自動検知する監視システムを導入していた。さらに、カスタマーサービスによる目視により出品や取引を常時監視し、偽装品や盗品など出品禁止物の排除に努めている。
半年間におよぶ分析の結果、高い精度で、あるユーザーが不正取引ユーザーであるか、一般ユーザーであるかを分類、抽出できたという。その際、テキストや画像の情報を使用しなかった。つまり、言葉どおりネットワーク解析によって、不正取引ユーザーの検出に成功したのだ。