建設業界の煩雑なデータ整理などをAIが代行し負担削減
これまで、建設業界は需給の波が大きく、自社で請け負いきれない業務は外部に委託することで成長してきた。一方で仕事の需給の波があることに加えて、需要の予測も難しいため状況に応じて外注先を確保したり、探したりする必要があった。そのため建設業界は労働力の価値を最大化することが極めて難しい状況になっていた。また、建設業界は現場業務や報告書作成が未だに紙を中心に行われており、非効率な業務が多いという課題もある。
これらの現状を受け、フォトラクションはこれまで提供していたクラウドサービスだけではこうした課題を解決することは難しいと考えた。そこで、既存のPhotoructionに加えて、建設業特化AIと建設技術者を組み合わせた新しい建設サービスであるPhotoruction Eyeをリリースすることになった。
Photoruction Eyeは工事写真・図面・書類などのデータをPhotoructionにアップロードするだけで、普段建設業者の業務を代行するサービスだ。代行できる業務の例としては「工事写真台帳作成」・「書類のデータ化」・「配筋検査野帳の作成」「図面からの数量拾い」などがある。
実際にPhotoruction Eyeを試験導入した建設業者からは「現場でのメモや作業内容を事務所に戻ってデータ化する業務が不要となり、現場と事務所での二度手間を解決した」といった声もあがっており、書類50枚のデータ化の作業時間が1,000分削減されたという結果も出ている。また、蓄積データをAIに学習させることで、利用企業専用のAIが構築され、スピードと精度が向上される。
Photoruction Eyeはチケット制で、サービス料のチケットをあらかじめ購入しておき、サービスを利用する毎にチケットで支払う仕組みだ。
今後、フォトラクションはPhotoruction Eyeのサービスを通して、データ整理や資料作成などの煩雑な業務を効率化し、業務時間の削減や人手不足の解決に貢献していく。
可搬型AIエリア監視システムが工事現場を監視し事故の未然防止へ
現在、作業現場の安全性向上が大きな課題となっている。厚生労働省「平成30年労働災害発生状況」によると、建設業界では墜落・転落事故、建設機械やクレーンとの接触事故、倒壊・崩落事故が全体の70%を占めているという。
そうした中で、OKIは2020年5月からインフラ工事の安全監視ソリューションとして、工事現場の危険な立ち入り禁止エリアをAIでリアルタイムに監視し、安全性向上を支援する「Motion Alert」を販売している。
モーションマッピング技術とAIエッジコンピュータを搭載したMotion Alertは、人や物が頻繁に動く工事現場のような場所、目視が困難な場所においても立ち入り禁止エリアなど検知・識別をリアルタイムに提供する。
また、可搬型であるため状況に合わせた装置の移動・設置が可能になり、柔軟な監視で重大事故を実現する。
OKIは可搬型エリア侵入監視システムMotion Alertを提供し、工事現場での事故削減と安全性向上に貢献していく。