Slack、AWSと戦略的提携 ソフトウェア開発の俊敏性を推進

Slack_AWS

Slackは、アマゾンウェブサービス(AWS)と戦略的に提携したと発表した。

両社は、エンタープライズソフトウェア開発には調整とコラボレーションの偉業が必要であるとし、SlackはAWSと連携して、大規模な分散チームがSlackで毎日使用するアプリや情報に簡単にアクセスできるようにし、全員がより効率的に作業できるようにしているという。

Slackの共同創設者兼CEOであるスチュワート・バターフィールド氏は、「AWSサービスをSlackのチャネルベースのメッセージングプラットフォームと統合することで、チームがプロジェクトを簡単かつシームレスに管理し、Slackを離れることなくクラウドベースのサービスを開始できるようになる」とコメント。

具体的な提携内容としては、以下が挙げられている。

Slackに「AWS Chatbot」および「Amazon AppFlow」を統合

AWS Chatbotは、チームがすでに機能しているSlackチャネルを監視し、使用することができる。また、すべてSlack内で、モニタリング、システム管理、導入ワークフローなどのAWSオペレーショナルアクティビティを実行が可能となった。

将来的に、AWS Chatbot は、AWSの175以上のサービスを組み込み、開発者がSlackのクラウドベースのサービスをすべて管理できるようにするとのことだ。

また、Amazon AppFlow統合により、システム間でのデータ共有が簡単になるという。ユーザーは数回クリックするだけでSlackとAWSサービス間でデータを安全に転送でき、コーディングは不要。

今後数か月以内に、新しい機能により、ユーザーは単一のフローで複数のSlackチャネルとAWSサービス間で双方向にデータを転送できるようになるとしている。

Slackの通話用「Slackコール」機能をすべて「Amazon Chime」に移行

Slack CallsをAmazon Chimeの音声およびビデオ通話インフラストラクチャに移行。AWSは、ネイティブSlack Callsのオーディオやビデオ、会議、画面共有機能を強化するという。

なお、短期的には、エンドユーザーエクスペリエンスに視覚的な変化はないが、長期的には、この動きによりモバイルビデオなどの新機能を追加できるようになり、ユーザーは引き続きSlackを利用して安全なエンタープライズ通信を実現できるとしている。

「AWS Key Management Service」で「Slack Enterprise Key Management」を強化

Slack Enterprise Key Management(エンタープライズキー管理 以下、EKM)は、2019年にAWSと提携して提供開始となった。

ユーザーはAmazonのキー管理サービスに保存されている独自のキーを使用して、メッセージとファイルを暗号化でき、現在同サービスは90社以上に使われているという。

EKMのリリース以降、ユーザーにSlackの情報の可視性と監視性をさらに高める新機能を追加。新しいEKMオファリングにより、ユーザーは、セキュリティ要件を満たしながら、日常的なプロセスを自動化し続けることができるとのことだ。

これらの戦略的提携により、チームが作業を完了するために依存するツールをシームレスに統合する、ユーザーと製品のエクスペリエンスを提供するとのことだ。

AWSのCEOであるアンディ・ジャシー氏は、「一緒にAWSとSlackを使用すると、開発者チームは、アプリケーションを使用してフロントエンドでより迅速にコラボレーションおよびイノベーションを実行できると同時に、バックエンドクラウドインフラストラクチャを効率的に管理できます」とコメントしている。

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