エンタテインメントAIを研究開発
スクウェア・エニックスは、今後5Gを含む次世代の通信規格、XRなど多様な技術革新が進んでいくなかで、新たなエンタテインメントが創出されると考えている。
同社はこれまで、「最高の『物語』を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する」を企業理念に、デジタルエンタテインメント・出版・アミューズメント・ライツプロパティなどの事業を推進してきた。
今後、スクウェア・エニックス・AI&アーツ・アルケミーを設立することで、これまで同社が蓄積してきたAIやアートに関する知識・技術を活用し、広くエンタテインメントAIとして研究開発を促進するとともに、ほかのエンタテインメント企業との連携も視野にいれて、新たな事業分野を創出していく。
代表取締役会長CEOには、スクウェア・エニックス・ホールディングスで代表取締役社長を務める松田洋祐氏、代表取締役社長COOにはレミ ドリアンクール氏、取締役CTOには三宅陽一郎氏、取締役CAO(Chief Art Officer)には野末武志氏が就任する。
AIがスマホゲームのバランスを調整
スクウェア・エニックスのように、ゲーム事業にAIを活用している事例は多い。
株式会社Precious Analytics(以下、プレアナ)は2020年5月、同社が提供しているアプリゲームのゲームバランス評価サービスのオプションとして、ゲームバランスをAIが自動的に調整するサービスをリリースした。
ゲームバランス評価サービスは、ゲーム開発会社のリソースバランスポリシーをもとに、設定値の変更とユーザーの最適プレイを学習させることで、自動的にポリシーに沿った形での適切なバランスに近い設定値を求め、マスタに反映するシステムだ。
これまでのプレアナの評価サービスでは、アナリストがマスタデータを確認しシミュレーターに反映させていたが、今回の新サービスでは、マスタ反映までをAIが自動化するようになった。
現在は、汎用的なF2P(Free-to-play)モデルでのゲームの試行によって、高い精度でチューニングすることが可能だという。