レオパレス21は、4日に開催された取締役会において、法人税等調整額(損)の計上、特別損失の計上、および 2019年11月8日に公表した業績予想を下方修正することを発表した。

法人税等調整額(損)の計上に関して、同社施工物件において、小屋裏等界壁の施工不備、界壁内部充填材の相違、外壁構成における大臣認定との不整合、天井部施工不備および耐火建築物の界壁における大臣認定との不適合が確認されたことにより、全棟調査を行い、改修工事を進めているという。

その過程で、全棟調査を優先させたことや体制整備の遅れ等により、改修工事の完了と入居者募集の再開が遅れ、賃貸事業における 2020年3月期通期の平均入居率は 80.78%に低下。

賃料収入が減少したこと等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、2020年3月期に繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額(損)214 億円を計上したとのことだ。

また、特別損失の計上に関しては、上記の施工不備について、全棟調査の過程において不備率が上昇し、補修費用が増加したこと、および調査に伴う臨時的な費用が発生したことにより 2020年3月期第 3 四半期末時点で125億円の特別損失を計上。

さらに補修工事単価が上昇したこと等を受け、第 4 四半期において118億円、2020年3月期通期累計243億円の特別損失を計上することになったという。

業績予想の修正については以下の表を公表している。

同社は、今回の業績予想の修正を受け、経営責任を明らかにするため、役員報酬の減額を継続するとしている。

役員報酬の減額は、4月から2021年3月までで、取締役・監査役・執行役員などの報酬が減額される。