エコスタッフ・ジャパン株式会社は6月1日、AI(人工知能)を用いて廃棄物の最適な収集コースを算出し、廃棄物処理業者に提供するサービスの事業化を発表した。

AIを活用して収集コースを最適化することで、配車係の作業負荷の軽減や収集車両の効率化、コストの削減などの効果を得られる。

勘や経験の排除、AIの力で利益の創出につなげる

エコスタッフ・ジャパンのプレスリリースによると、新型コロナウイルス感染症にかかる影響によって、廃棄物収集運搬業界では、顧客数と廃棄物量が減少し、廃棄物収集コースの見直しや合理化が急務になっているという。

今回、エコスタッフ・ジャパンが提供するのは「AI配車シミュレーションサービス」だ。

AI配車シミュレーションサービスでは、廃棄物収集にかかわる基礎情報からAIが最適な収集コースを算出する。これまで、配車担当者が取り組んでいた収集車両ごとに収集コースの設定や、コースの見直し作業を補助する役割だ。

AI配車シミュレーションサービスを活用することで、勘や経験に頼っていた配車係の作業負荷を軽減したり、収集車両を効率化することによって台数の削減に貢献したりする。そして、トータルコストの削減につなげ、利益を創出させるのが狙いだ。

エコスタッフ・ジャパンのAI配車シミュレーションサービスは有償による提供ではあるが、産業廃棄物収集運搬企業、一般廃棄物収集運搬企業はもちろん、自治体でも活用可能とのこと。

AIで効率化を目指す青森県庁 AIが会議録の作成を手伝う

新型コロナウイルスの影響もあり、多くの企業で「効率化」というワードが掲げられつつある。在宅ワークの推奨などによって、仕事への取り組みが日々変化しつつある。そのなかでも無駄を省き、一層仕事を効率的に進める、ということは大きな課題のひとつだ。

AIを活用して作業を効率化する取り組みは、民間企業だけでなく、官公庁でも進みつつある。

青森県庁では2019年11月からクラウド型AI会議録作成支援ソリューション「AI Minutes for Enterprise」を試験導入し、会議録作成時にAIを活用している。

これまで、青森県庁では職員が会議録を作成していた。しかし、1時間の会議でさえも会議録の作成には5,6時間も要することがあった。

そこで青森県庁はAI Minutes for Enterpriseを使うことで、会議録の作成時間を半分程度にまで抑えられた。

Ledge.ai編集部では青森県庁に対し、会議録作成時に使うAI Minutes for Enterpriseについて取材をしている。

官公庁をはじめ自治体などで進めば、多くのシーンでAI導入が進むきっかけになるだろう。そして、エコスタッフ・ジャパンのAI配車シミュレーションサービスのように、効率化に貢献するAIが広まれば、新たな働き方や生活スタイルが確立されそうだ。