世界観光機関、新型コロナのパンデミックによる旅行者数の影響を想定

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世界観光機関(UNWTO)は、新型コロナウイルスによるパンデミックが、2020年の外国人観光客の到着にどのように影響するかについて3つの異なるシナリオを想定した推計を発表した。

また、新型コロナウイルスの影響を受けた業界の中でも、観光セクターはより大きな打撃を受けた業界であるといえる。なお、この混乱の全容を把握することは不可能であるとのことだ。

今回発表された観光産業への影響は3つのシナリオを想定。この内、ダメージが少ないものであっても、状況は壊滅的なものであるとしている。

まず、今回のパンデミックにより封じられていた国境の開放と旅行制限の緩やかな撤廃が7月初旬に始まると仮定すると、同機関は、2020年の国際観光客は58%減の6億1000万人になると予想している。

この数値は、国際旅行者数が非常に少なかった1998年と同様の数値となるという。

2つ目のシナリオとして、年内の後半(9月)まで移動制限が残っていれば、さらに悪化する可能性も提示。

また、移動制限が2020年の12月末に緩和されるとなれば、状況はさらに悪化し、国際観光客の数は3億2,000万人と、80年代半ば以来の水準にとどまり、業界は1兆ドル以上の赤字になるとしている。

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新型コロナウイルスの流行以前、世界の旅行・観光者数は、何十年もの間、ほとんど中断されない成長を見せていた。1980年以降、国際旅行数は2億7,700万人から急増し、2019年には15億人近くに達した。

今回、発表された図のように、旅行者数は過去20年間で2倍の減少にとどまっている。過去に減少をもたらした要因は、2003年に流行したSARSの影響で0.4%の減少、また、世界金融危機によって国際旅行が4%減少した2009年であるとのことだ。

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