台湾警察庁では身元確認や行方不明者の捜索にAI顔認証技術を活用

サイバーリンク株式会社は5月13日、独自のAI顔認証エンジン「FaceMe」が台湾の内政部警政署(日本の警視庁に相当)に採用され、警政署システムや公共安全関連アプリケーションの構築を支援することを発表した。AI顔認識技術を使うことで、警政署は身元確認や、行方不明者などの捜索に役立てられるようになる。

サイバーリンクは、台湾に本社を置き、デジタルコンテンツの創作やマルチメディアコンテンツの再生、AI顔認識エンジンなどの多岐にわたるソリューションを開発している。

AI顔認証で身元確認

FaceMeは、アメリカ国立標準技術研究所の顔認識コンテストにて、台湾で最高の成績を収めた。世界で認められた正確で高速な顔認識技術のひとつとされている。

エッジデバイスやサーバーなどの多様な環境に対応しているFaceMeは、パトロール中の警察官がスマートフォンのカメラやボディカムを使って、助けを必要としている人の顔の特徴を検出し、サーバーに送信してデータベースと比較することで身元を確認できる。

サイバーリンク最高経営責任者(CEO)ジャウ・ホァン博士は以下のようにコメントしている。

――ジャウ・ホァン博士(Dr. Jau Huang)
「顔認証技術は近年、多くの先進国で採用され、スマートな公共セキュリティシステムに導入されています。有名な例としては、顔認証による通行許可システムです。近年では、業務の効率化を目的とした顔認証AI技術を導入する警政署アプリが増えています。 サイバーリンク社が開発した顔認識技術が警政署に採用され、より迅速かつ正確な公共安全システムの構築と、最前線に立つ警察官の業務効率化に貢献していることを光栄に思います。」

AIがナンバープレートを識別

サイバーリンクは顔認識技術にくわえて、AIナンバープレート識別ソリューションを提供している。AIナンバープレート識別は、雨の日や夜間の視界の悪い場所でも99.70%という高い認識率を維持し、警察の事件処理に役立っている。

AIナンバープレート識別は、パトカーのドライブレコーダーに組み込み、ドライブレコーダーがとらえた映像内のナンバープレートをすばやくスキャンして認識する。それをデータベース内の犯罪・盗難記録のナンバープレートと比較することで、その結果を即時にパトカーの監視画面に表示できる。

AIが0.2秒で顔認識、属性分析も

AIの顔認識技術は、多くの企業が注目し、導入を進めている分野だ。

アイリスオーヤマ株式会社は2020年4月、AIカメラ事業に新たに参入し、あわせてネットワークカメラにAI(人工知能)アルゴリズムを搭載したモデルを含む全38種の「AIカメラ」シリーズを発売することを発表した。

アイリスオーヤマが発売したカメラシリーズは、従来のセキュリティ・防犯機能に加え、顧客分析などのマーケティングに活用できる。また従来は約3秒かかるところを、AIアルゴリズムを搭載することで0.2秒の顔認識スピードを実現した。

AIカメラはセキュリティ・防犯対策などにおいて多様な場所で使用され、今後もさらなる市場と需要の拡大が見込まれるだろう。

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