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いまオフィスでの働き方が、大きく変わろうとしている。
2020年4月中旬に実施された、東京商工会議所の調査(東京23区の中小企業1300社が対象)によれば、全体の約3割がテレワークを実施しており、Web会議ツールを導入する企業が増えてきている。現在の社会的情勢だけでなく、働き方改革の流れも相まって、今後この流れは加速していくと考えられる。
しかし、ビジネスパーソンがWeb会議ツールを現場で活用する中で、さまざまな課題も浮かび上がってきた。大人数での使用ができない、ツールを使いこなせていない、音声が途切れて聞き取れない、セキュリティが不安……。こういった問題が、テレワーク推進を妨げているという側面もある。
中でも、セキュリティの安全性は、ビジネスツールとして活用を続けられるか否かに影響する。
そこで今回は、テレワーク中に見えてきた課題を解決可能なWeb会議ツールを紹介していく。適切なツール選択のヒントとなれば幸いだ。
1. 遠隔地でも時間と場を共有できるWeb会議ツール
Web会議ツールとは
Web会議ツールは、遠隔拠点の相手とインターネットを介して、音声通話やビデオ通話でのやりとりができるコミュニケーションツールのこと。
音声や映像でのやりとりだけでなく、PC画面を共有して同じ資料を見ながら話したり、テキストチャットも同時進行できたりと、テレワーク中であっても実際のオフィスのように会議をすることが可能だ。
セキュリティに強いWeb会議ツールを選ぶべし
現在リリースされているWeb会議ツールには、それぞれ異なった強みや特徴がある。都度状況が目まぐるしく変化するビジネスシーンにおいては、場面ごとの使い分けが大切だ。しかし、中長期的に使えるものを選びたい場合には、信頼性が高くかつ安定的に利用できるWeb会議ツールを選ぶべきだろう。
それは、どのようなツールか。
結論を先に述べてしまうと、セキュリティ面で優れたWeb会議ツールを選ぶべきである。
Web会議ツールとして基本的な機能を備え、安全性を兼ね備えたものとしておすすめなのが、「 Microsoft Teams 」だ。
なぜ、 Microsoft Teams は信頼できるのか?
・Web会議のプライバシーとセキュリティ管理を実現
ミーティングに参加する人や、ミーティング情報へのアクセス権を持つ人を管理できるよう、さまざまなプライバシーとセキュリティの管理方法が用意されている。会議の録画時には参加者全員に通知が行き、録画された情報は、承認制と暗号化によって保護された管理リポジトリに保存される。
・プライバシー保護を前提とした設計
マイクロソフトでは、プライバシーへの取り組みを、企業理念と製品の構築手法に深く根付かせている。例えば、ユーザーの Teams データを使って広告配信をしない、 Teams のミーティングに参加者が集中しているか、他のことをしていないかなどトラッキングすることはない。サービスの契約が終了した場合や期限が過ぎた場合は、データが消去されるといった設計になっており、誰もが安心して使える。
・データ保護およびサイバーセキュリティの脅威に対する防御
マイクロソフトでは日々 8 兆件以上(2020年4月現在)のセキュリティシグナルを処理し、その情報を駆使してユーザーをセキュリティの脅威からプロアクティブに保護している。 Teams は、データが転送中でも静止状態でも暗号化し、そのデータをビデオ、音声、デスクトップの共有に有効な SRTP (Secure Real-time Transport Protocol) にて安全なデータセンターネットワーク内に保存している。
つまり、 Microsoft Teams を使えば、高セキュリティ・高プライバシーなWeb会議環境が一度に手に入るということだ。上記で述べたような環境や体制をゼロからつくるのは、多大な手間がかかるだろう。
また、もし個人情報やクライアントとの取引情報などのデータを、安易に信頼できないツールを使ったことで流出などしてしまえば、企業生命にも関わってくる問題だ。
インターネットの歴史と共に歩んできたマイクロソフトのセキュリティ技術は、この時代における、あなたの強力なビジネスパートナーとなるだろう。
一方で、先ほども述べたように、発生する課題やその時必要となるWeb会議ツールは、ビジネスシーンごとに異なる。以下では、課題別に、おすすめツールを紹介していく。
※今回の記事では、シーン別の特徴に焦点を当てる意図があるため、他社サービス名は控えさせていただいた
2.大人数で使えるツール
株主総会や全社会議など、大人数で一度に参加したいという場合に、以下のツールがおすすめだ。
多拠点会議やセミナー、オンライン教育向き。交流ツールとしても。
(ツール例)V(V社)、Z(Z社)、 Microsoft Teams 、W(C社)、F(A社)
[PICK UP]
- V(V社)安定した接続性と高クオリティが魅力
┗主な特徴
50名が参加可能なWeb会議ツール。テレビ会議ツールにも劣らない高画質・高音質と安定した接続性が高く評価されている。5,000社以上が導入しており、実績も十分だ。洗練されたインターフェイスで、Web会議ツール初心者にもやさしい。リアルタイム翻訳機能が利用でき、海外とのコミュニケーションも安心。
┗価格(ローカルプラン)
(1)V社ミーティング ベーシック:¥2,000/月 年間契約
(2)V社ミーティング ベーシック:¥2,700/月 年間契約
(3)V社 One:¥11,000/ポート/月 請求書払い
- Z(Z社)録画・録音もできる、大人数の交流を支える人気アプリ
┗主な特徴
無料版でも100人が同時接続でき、大人数でのセミナーや説明会に向いている。アカウント作成不要の気軽さで一気に知名度を高めたWeb会議ツール。Web会議の録画や会議参加者をグループ分けできるなど、ワークショップ等にも利用しやすい。無料・有料プランのユーザーは1日で2億人を超える(2020年3月時点)。
┗価格
(1)基本:無料/月 グループミーティングは40分まで
(2)プロ:¥2,000/月 小規模チーム向き
(3)ビジネス:¥2,700/月 中小企業向き
(4)企業:¥2,700/月 大企業向き
3.簡単に使えるツール
テレワークを余儀なくされた企業の中には、ITの分野に精通していない業種もあるだろう。そんな時に、誰でも簡単に利用できるWeb会議ツールの例を紹介する。
ITリテラシーに差があっても安心。社員の世代が幅広い企業にもおすすめ。
(ツール例)Z(Z社)、 Microsoft Teams 、W(C社)、W(W社)
[PICK UP]
- W(C社)各種デバイスで快適に使え、高品質な映像と音声でストレスフリー
┗主な特徴
PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなど各種デバイスで快適に使えるWeb会議ツール。さらにWeb会議に求められる「録画機能」「資料共有機能」「ホワイトボード機能」「アンケート機能」などの機能が標準で利用可能。チームコラボレーションに特化した機能が満載で、Salesforce等、他社のさまざまなツールとの統合も可能。
┗価格 ホスト1名につき
(1)基本:無料/月
(2)プロ:¥1,490/月 小規模チーム向き
(3)ビジネス:¥1,980/月/中規模チーム向き
(4)企業:¥2,980/月 大規模チーム・企業向き
- W(W社) URL招待制で会議参加も簡単。4名までは無料で使える
┗主な特徴
URL招待で気軽に始められるWeb会議ツール。アプリケーションを自由にインストールできない会社支給のPCで業務を行なう人にも向いている。主催者が発行したURLをクリックすれば会議ができるので、Web会議に不慣れな相手とのミーティングにも使いやすい。無料プランでも高音質・高画質で問題なく利用できるが、同時通話人数は4人まで。
┗価格料金プラン
(1)Free:$0/月
(2)Pro:$9.99/月
(3)Business:$59.99/月
4.高セキュリティツール
テレワーク状況下では、個人情報や取引先情報などをオンライン上でやりとりする場合がある。そのような時に、ツール自体のセキュリティレベルや安全性というのが必須条件だろう。おすすめは、以下のツールだ。
セキュリティの安全性は、ビジネス利用の必須条件。
(ツール例)F(A社)、 Microsoft Teams 、W(C社)、V(V社)
[PICK UP]
- F(A社)セキュアなシステムで導入実績多数の純国産ツール
┗主な特徴
2003年の発売以来、セキュリティ面で大きな被害を受けた事が一度もないWeb会議ツール。官公庁など安全性の高さが求められる組織が多く採用していることも特徴だ。5拠点以下の場合は2019年6月にリリースされたブラウザ型Web会議ツールも気軽に活用できる。サポート体制が手厚く、Web会議ツールの導入に不安を感じている企業にも安心。
┗価格(クラウドタイプ)
初期費用¥100,000
- Microsoft Teams 万全のセキュリティが魅力の統合型ビジネスツール
┗主な特徴
Web会議、チャット、スケジュール管理から電話機能、資料共有までオールインワンで提供するビジネスツール。 Microsoft 365 が提供する最新のセキュリティ機能で保護されており、ID・デバイス管理や、コンプライアンス、情報保護など様々なセキュリティ機能を利用できるため、ビジネス利用に最適だ。すでに Office 365 を導入している場合はすぐに利用でき、Word、Excel、PowerPoint、SharePoint など組み込みの Office 365 アプリでファイルの共同作業が行えるのが特徴。チームワークを実現するハブとして、大手企業からスタートアップまで幅広く活用されている。
┗価格(見積もり依頼が必要)
一部プランを除き、 Office 365 / Microsoft 365 を契約している場合はそのまま利用可能
5. Microsoft Teams ユーザーの声
Web会議ツールをビジネスで活用する場合、大切なのはセキュリティ面の安心感と、チーム単位での働き方を支えられるコミュニケーションツールであるかどうかだ。
今回は、その両方を満たしている Microsoft Teams を活用し、事業を推進している3社の事例を紹介する。
大手通信企業
<課題>
約70の国と地域の拠点で情報共有を進め、個人の持つスキル、多様性、知識を組織として活かしていかなければならないが、部門やチームごとに複数のツールが混在して働き方改革が進められずにいた。
<手段>
Microsoft Office 365 の全社導入を機に、複数のコミュニケーション手段を Microsoft Teams へと統一。メール中心のコミュニケーションをシフトするため、ワークショップ等で徐々に浸透を図った。
<結果>
コミュニケーションのスピードや量、密度が大幅に向上。組織の壁を超えて人と人とのつながりが深まり、自律的な組織も実現しやすくなった。Web会議も気軽に利用でき、テレワークの推進にも寄与している。
大手総合商社
<課題>
経営環境が大きく変化する中、継続的に新しい価値を作り出す仕組みづくりが喫緊の課題。従来の業務の仕組みを最大限に効率化し、収益を飛躍的に向上させることも必要だった。
<手段>
世界66の国や地域で活動する約4万2,000人の情報、技術を結びつけ、そこから生まれたアイデアを速やかに事業化できるコミュニケーションとコラボレーションの基盤を Microsoft Teams で構築することに。
<結果>
平均10%程度の会議効率化が進み、紙の消費量は前年比で平均約2割削減。 Teams の活用でセキュリティとユーザビリティを同時に実現する仕組みが整い、若い世代が活躍できるIT環境が生まれた。
大手ネット証券会社
<課題>
働き方改革の推進と生産性の向上の両立を図るため、働き方の定量化、可視化が求められていたが、部分最適に個別のツールが導入され、社員の働き方をデータとして把握し、分析できていなかった。
<手段>
Microsoft Office 2010 を Microsoft 365 に全面移行するタイミングで Microsoft Teams を導入。社内外の迅速で効率のよいコラボレーションを生み出せる全社統合ツールとして期待された。
<結果>
チャットを中心とした Teams の活用で生産性が向上。開発パートナーとの打ち合わせも Teams 上で行い、テレワーク制度も加速した。全社のデータ集約と可視化も Microsoft のアプリケーションで実現。
6.まとめ| Microsoft Teams を活用して、企業価値のアップデートを
想像以上のスピードで一般化しつつあるテレワーク。今後も、企業の規模や業種を問わず社外から仕事をする比重が高まり、オンライン上で完結させる業務が増えていくことは確実だ。
しかし、テレワークには気をつけなければならない点も多数存在する。2020年3月末、人気Web会議ツールアプリのセキュリティ面における脆弱性が発見されたことも記憶に新しいが、Web会議で機密情報や個人情報を取り扱う場合、セキュリティの安全面はもっとも注意すべきポイントだ。 Microsoft Teams のように、万全のセキュリティ機能で保護されたWeb会議ツールは、ビジネスでも安心して利用できる。
さらに、テレワークの浸透で顕在化してきた「気軽なコミュニケーション不足」や「チームワークの悪化」といった課題への対応が今後一層求められることになるだろう。オフィスでの勤務と同等に情報共有ができ、コミュニケーションを密に取れるWeb会議ツールを活用することで、課題の解決につなげたい。
さらに、 Microsoft Teams はワンストップ型のプロジェクト支援ツール。チャットやWeb会議といったコミュニケーションツールの統合だけではなく、 Teams の画面から Office 365 の豊富なツールが直接使え、 Teams 対応のアプリケーションやサービスもシームレスに利用可能だ。ビジネスにおける「ハブ」を使い倒すことで、チーム単位で生産性向上が目指せ、ひいては企業価値のアップデートにもつながっていくだろう。
文:岡島 梓