予測できないリスクが多い今の時代、大手企業だから安泰とは言い切れない。そんな中、「市場価値の高いスキルを身につけて、自分が本当にやりたいことを仕事にしたい」という考えを持つ20代、30代は多いだろう。
実際、大手企業を飛び出し、新たなスキルを身につけて成長業界やスタートアップに転職する人が増えている。特に人気の高い職種がエンジニアだ。
未経験からエンジニアへの転職を実現するためには、覚悟を決めて集中的に学ぶことが必要となる。こうしたキャリアチェンジを後押ししてくれるのが、最短10週間で第一線で活躍できるエンジニアを養成するプログラム「テックキャンプ エンジニア転職」だ。
今回はテックキャンプを卒業し、スタートアップに転職してエンジニアとして活躍している秋葉佑哉氏(25歳・取材時)と、中島良氏(28歳・取材時)の2名に、エンジニア転職を決意した理由とテックキャンプをどのように活用したのかについて語ってもらった。
このままでいいのか? キャリアの先行きが見えて感じた不安
誰もが一度は、「今の仕事をずっと続けていいのか」と迷いを持ったことがあるだろう。秋葉氏と中島氏も同様の不安を持っていたという。両名はなぜ、エンジニアへの転職を決意したのだろうか。
テックキャンプ 渋谷校(東京)短期57期卒業生 秋葉佑哉氏(現職:株式会社Gracia)
秋葉:「私は新卒で不動産会社に入ったのですが、1年くらい働く中で、『このままでいいのか?』と思うようになったんです。大きな会社で、何歳頃に昇進するかといった将来が見えていたこともあり、もっといろいろなことに挑戦したいと思って転職を決意しました。
エンジニアリングに興味を持ったきっかけは、たまたま、会社内で不動産検索ができるExcelのテンプレートを自作したことでした。メンバーから『すごく助かる』と言われたのがすごくうれしかったんですよね。その時に、人の役に立つサービスを0から作る技術を身につけたいと思ったんです。
そこで、社会人2年目になったばかりということもあり、若いうちに時間をとって一気に勉強してキャリアチェンジしたいと思いテックキャンプを受講しました」
中島:「私は前職ではショッピングモールの運営会社で営業をしていました。しかし、年々百貨店が消えていく様子を目の当たりにして、リアル店舗の将来像が見えにくくなっていたんです。一方で、ネットショッピングが急成長している。そこで、店舗をサポートするWebサービスを手がける会社で働きたいと思いました。
働きながら、まずは独学でプログラミングを学びはじめました。ちょうどその頃、「うちのモールに出店しましせんか?」と店舗に営業をしていたんですが、住宅を探すときはWebで手軽に調べられるのに、店舗営業はなんでこんなにアナログなんだろうと思っていたんです。『便利なサービスが世の中にないなら、自分の手で作れるようになりたい』と思って、エンジニアを本格的に目指すようになりました」
テックキャンプ なんばスカイオ校(関西)短期66期卒業生 中島良氏(現職:株式会社チュートリアル)
「短期集中」「仕事と両立」。一人ひとりに合わせた学びのスタイル
目の前の課題を解決しようとする中でものづくりの楽しさに目覚め、エンジニアを志すようになったという秋葉氏と中島氏。異業種・未経験からのエンジニア転職が決して簡単ではない中で、2人が選んだのはテックキャンプで集中的に学ぶことだった。
秋葉:「自分への投資というか、本当に使える技術を身につけたかったので、自分を追い込んで本気になるために、会社を辞めてテックキャンプに通うことを決めました。
テックキャンプを選んだのは、評判を聞いていて興味があったのと、本気で学べる環境がどこよりも充実していると思ったから。ほかのプログラムと比較して費用は高いですが、覚悟を決めて厳しい環境に身を置けば力が身につくはずと思ったので、ためらいはありませんでしたね。3カ月のプログラムが終了したときに、会社に頼らずに生きていく力が身につくはずだと信じて、がっつり勉強する環境を作りました」
中島:「私の場合は、最初はテックキャンプの夜間・休日のコースに入りました。
結婚したばかりで長期に収入が減るのは不安でしたし、自分のやりたいことが本当にエンジニアリングなのかとか、もともと営業だったので1日座っている働き方が自分に合うのかなどを確かめる期間が必要だと思ったんです。まずはやってみて、ダメだったら前職で仕事を続けていけばいいと考えていました。
会社を辞める決心をしたのは、プログラムが半分終わった頃。ミニアプリを作りながら勉強していたのですが、エラーに対してどのように解決するかを自分で考えて、少しずつ形にしていく工程が、今までの仕事よりも楽しくて。会社を辞めてコースを変えて、終日勉強するスタイルにしました」
実践形式で、エンジニアの思考回路と技術を習得
最短10週間でエンジニアに必要なスキルが身につき、実際の開発現場と同様の環境で経験を積めるテックキャンプ。実践的な学習に加えて、メンターによる丁寧なサポート体制が整っていることも特徴だ。
秋葉:「プログラムが始まる前、少し自習していたのですが……さっぱり頭に入ってこなかったんです。HTMLとRubyは何が違うのかもわからなかったですし。
その状態でプログラムに通い始めたのですが、最初の1、2週間で基本的なことがすっと理解できるようになりました。HTML、CSSといった基本を学んだのち、サーバサイドのRubyなどを勉強していく流れです。0から学ぶ人でもプログラムに沿って学んでいくうちに、いつのまにか基本が身について、わずか1カ月ほどで自力でアプリケーションを作れるようになりました。
プログラムの後半はより実践的な内容となり、世の中でサービスとして出ているようなアプリを開発しました。私が作ったのは、ショッピングアプリのコピーです。実践的な開発を経験できたことがとても参考になりましたね。
一人で勉強していると、何から手をつければいいかわからなくなりますが、テックキャンプではプログラムを順に進めていけばいいので、短期で効率良くステップアップするにはすごくいいなと思いました。
もう1つ、テックキャンプに通って良かったことが、一緒に学ぶ仲間がいたことです。
最初はみんな0からのスタートなのに、少しずつ自分より先に進んでいる人も出てきて。『同じスタートラインだったのだから自分もやればできるんだ』というモチベーションにつながりました。わからないことがあれば聞けるし、『どこまで進んだ?』と話して悩みを相談することもできます。
教室で毎日顔を合わせるので、もう1度学校に行ったみたいな感じですね※。挫折しないで頑張れたのも、同期の仲間の存在が大きかったです」
※2020年5月現在は新型コロナウイルスの影響でオンラインのみの学習です
中島:「プログラムの中で一番印象的だったことは、メンターとのやりとりです。わからないことがあるときは、実際にエンジニアとして活躍しているメンターの方に質問することができるんです。
でも、質問するには事前に質問シートを作る必要があって。『どこでエラーが起きたのか』『なぜエラーが起きたと思うか』『解決するためにどんな情報を調べたか』『どうしたら解決すると思うか』の4項目をメンターに伝えなければいけないんです。
それを一生懸命考えているうちに、立ち止まってしまう原因を客観的に見えるようになってきて、質問することなく自分で解決できるようになって。10回くらい質問したいタイミングがあったのですが、結果的に1回だけで済みました。
エンジニアとして働くには、自分で課題に気づいて解決する力が必要です。質問シートを書くという作業を通して、いつの間にか自走する力を身につけていたんだなと思います。
私の場合は、1日中パソコンの前に張り付いてコードを書き続けるという経験も貴重でした。もともと営業職だったので、開発の姿勢を身につけることができたのは大きかったです。
プログラムが進むスピードは早かったですが、つらいと感じたことはありませんでした。夜間から全日に変える頃にはコードを書くことに夢中になっていましたね」
「本当にやりたい仕事」を実現できる会社に出会えた
テックキャンプでは転職のサポートも充実している。卒業後、秋葉氏はギフトプラットフォーム「TANP」を運営するGraciaに転職、中島氏はSaaS型RPA※を手がけるチュートリアルに転職し、それぞれエンジニアとして活躍している。
※SaaS型RPAとは
ホワイトカラーが行なっている事務作業(主に定型作業)を、自動化するソフトウェアのこと
秋葉:「卒業する2〜3週間前からキャリアアドバイザーがついてくれて、定期的に面談や面接の練習をしてくれました。私も含めてそもそもテック業界が未経験な人が多いので、業界の特徴や面接の傾向を踏まえ、どんな会社が向いているかといったアドバイスをしてくれて、すごく助かりました。
今は、ギフトプラットフォーム『TANP』を運営する会社で働いています。もともと知らない企業だったのですが、キャリアアドバイザーの方に紹介していただきました。『ギフトを通して幸せを最大化させる』というミッションに共感できたというのが決め手でした。また、創業3年目のスタートアップなので、エンジニアとして幅広い経験が積めるだろうと思ったことも理由です」
中島:「私もキャリアアドバイザーの手厚いサポートにはとてもお世話になりました。履歴書や職務経歴書の添削、面接練習もしてくれて、自分のやりたいことがより明確になりましたね。例えば、最初の頃は志望理由が『エンジニアの仕事は楽しそう』といった抽象的なものだったのですが、相談を重ねるうちに、『なぜそう思うのか』『将来どうなりたいか』を具体化することができました。
私のやりたいことを親身に聞いてくれて、それが実現できる会社の求人を紹介してくれたこともありました。どんなときも本音でアドバイスをいただけるのが印象的でしたね。
私の場合、前職でアナログな業務環境を変えたいという気持ちがあったので、転職の際は少人数で効率良く仕事を回せるサービスの開発をしたいと考えていました。その中で出会ったのが、『Robotic Croud』というRPAサービスを手がけるチュートリアルでした。
RPAというのは、チャットを使ってメッセージを自動送信する仕組みなどのこと。今は入社してまだ1カ月ほどですが、RPAのアクションを1つ作り上げたところです。もっとスキルアップして、早く会社に貢献できるようになりたいです」
人生を変えるには、自分から一歩踏み出すしかない
エンジニアとしてのキャリアをスタートさせたばかりの2人。1年前にはまったく異なる業界で働いていたとは思えないほどのスピードで成長を遂げている。
「今の道ではないかもしれない」と思ったとき、恐れずに一歩踏み出すことでしか状況は変えられない。秋葉氏と中島氏が自身のキャリアチェンジを成功させることができた一番の要因とはなんだったのか 。
秋葉:「勉強したい、転職したいと思ったときに、すぐに行動に移すことが大切なのかと思います。私の場合は、アクションを起こして、会社を辞めてテックキャンプを受講したことが良い結果につながりました。調べているだけでは何も始まらないので、まずは思い切って飛び込んでみるのが大事だと思います」
中島:「テックキャンプは私にとってエンジニアになるための『相談役』のような存在でした。実際に学んで感じたのは、教室に入ったからスキルが身につく、転職できるというわけではないということ。『こういうアプリを作りたい』という主体性がないとテックキャンプのプログラムも十分に活かせないと思います。逆に、目標を明確に持っていれば、どんどん吸収できる環境があります」
今とは違うキャリアを歩みたいと思いつつ、諦めて同じ場所に留まる選択をする人もいる。それに対して、秋葉氏と中島氏が希望のキャリアのスタート地点に立てたのは、理想を叶えるための方法を探し、すぐに行動に移したからだ。
テックキャンプの強みは、未経験者がプログラミングを学習しても「挫折せずにやり切れる」ことだ。独自の学習カリキュラムやプロの講師、専属のパーソナルコーチの徹底サポートにより、未経験者でもエンジニアへの転職を成功している。
また、テックキャンプはオンラインで受講を完結することも可能だ。教室での学習と変わらないサポートで「オンライン学習でも挫折しない環境」を実現しており、自分のスタイルでスキルアップを目指せる。
もし、サービスに関する質問があれば、無料のオンラインカウンセリングが役立つ。IT業界についての純粋な興味や自分の気持ちを伝えてみることで、新たな未来が見えてくるはずだ。
ポストコロナに向けて社会が変わろうとする今、自分自身のキャリアについて、改めて向き合う時間を作ってみてはいかがだろうか?
取材・文:村上 佳代
写真:松井 サトシ