INDEX
博報堂のシンクタンク博報堂生活総合研究所が、新型コロナウイルスの感染が拡大している昨今の生活者意識や行動について「新型コロナウイルスに関する生活者調査」を実施。その結果を発表した。
主な調査結果は以下の4点。
・感染拡大以前の普段の状態を100点としたとき、現在の状況下における「生活自由度」は54.3点
・新型コロナウイルス感染拡大に伴う不安「経済の停滞に不安を感じる」が91.2%とトップに
・「旅行・レジャーを控えている」88.7%、「交友・交際を控えている」85.1%
・「外出を控え、インターネット通販や出前を利用するようにしている」38.9%、「できるだけテレワーク(在宅勤務)をするようにしている」は23.5%と低い結果に
現在の状況下における「生活自由度」は54.3点
「新型コロナウイルス感染拡大以前の普段の状態を100点、感染拡大により極めて不自由を強いられる状態を0点とすると、 あなたの現在の暮らしの自由度は何点くらいでしょうか?」という質問をしたところ、全世代での平均点は54.3点となった。
なお男女別では男性が55.3点、女性が53.2点と、男性の点数が若干上回る結果となり、年代別では60代が57.6点と最も高くなった。
仕事をすでにリタイアしていたり、普段からあまり遠出をしなかったり と、若年層に比べて生活上の影響を受けにくい人が多いのではないか、などの要因が考えられるという。
また「生活自由度」の理由を自由回答で聴取したところ、比較的点数の高い人からは、「元々あまり出歩かないので影響がない」旨の回答が多く見られた一方で、点数の低い人からは交遊や趣味の機会が制限されることや、外出できないことでのストレスを挙げる声が見られた。
「経済の停滞に不安を感じる」が91.2%
新型コロナウイルス感染拡大に伴う不安や、抑制している行動、変化している行動など30項目について尋ねたところ、「不安度」の項目「経済の停滞に不安を感じる」が91.2%と、全30項目を通じて最も高い数値となった。
性別/年代別にみると、「不安度」や「行動抑制度」についての項目は、男性よりも女性が高く、若年層よりも高齢層で高くなるという傾向が見られた。
行動抑制はしているが、ネット通販・リモートワークは比較的普及せず
上記の項目の「行動抑制度」について、「旅行・レジャーを控えている」88.7%、「交友・交際を控えている」85.1%など、さまざまな行動を抑制しているとの回答が高くなった。
しかし一方で「行動変化度」については、「外出を控え、インターネット通販や出前を利用するようにしている」は38.9%、「できるだけテレワーク(在宅勤務)をするようにしている」は23.5%(有職者ベース)と、比較的低い値に留まっている。
また「家にいる時間が増えたので、動画や音楽などのストリーミングサービスを利用している」などオンライン/デジタルサービスの利用を中心に多くの項目で若年層の数値が高齢層を上回る結果となった。
なお同調査は当面の期間実施し、毎月第3週頃に発表する予定だという。
(※)調査概要
調査時期:2020年3月5日~9日(月)、2020年4月2日(木)~6日(月) ※政府の緊急事態宣言前
調査地域:①首都40km圏 ②名古屋40km圏 ③阪神30km圏
調査対象者:20~69歳の男女
対象者割付:調査地域①~③各500人を各地域の人口構成比(性年代)に合わせ割付
サンプル数:合計1,500人
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社 H.M.マーケティングリサーチ
<参照元>
博報堂「博報堂生活総合研究所「第1回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」(2020年4月)」