住友商事が、米州住友商事を通じて、モバイル通信用無線電波のAI分析をもとにした高精度位置計測技術を持つOrigin Wireless, Inc.(以下、OW社)に出資したことを発表した。

近年、高齢化の影響等により、高齢者の見守りやヘルスケアサービス、ホームセキュリティーサービスの需要が高まっている。しかし、プライバシーの侵害の問題点やカメラ、センサー、ウェアラブル機器などの設置に係るコストや手間があり、十分なサービスの普及に至っていなかったという。

OW社は、Wi-Fiなどの通信用無線電波の変化をAIで分析することで、人の動きや呼吸、心臓の鼓動など、小さな動きを検知する技術を保有している。

この技術を用いることにより、カメラなどの機器を設置する手間や抵抗感を感じさせることはなく、自宅や病室で過ごす人を遠隔地から見守ることができる。

また同技術は、GPSが届かない屋内でも極めて高精度で位置情報を検知できるため、物流倉庫や商業施設など、あらゆる産業での活用が見込めるという。

住友商事グループは、デジタルテクノロジーを掛け合わせて既存ビジネスの高度化および新規ビジネスの創出、ビジネスモデルの変革を図るデジタルトランスフォーメーションを推進している。

今回のOW社への出資を通じ、高齢化社会における安心な生活環境の提供、鉱山・倉庫のスマート化等、あらゆる産業への貢献を目指すとしている。