フォルクスワーゲンが2019年の業績を公開。自動車自体の市場が縮小しているにも関わらず、2019年の新車販売台数が過去最大の630万台を達成したことを発表した。

また売上高は、前年比5%増となる884億ユーロ。特別項目を除く営業利益は17%増となる38億ユーロとなった。なお営業利益率は4.3%に向上し(2018年:3.8%)、4~5%の目標範囲内に収まっており、同社COOは「2019 年は、フォルクスワーゲン ブランドにとって素晴らしい年」だったと発言している。

同社によると、業績を伸ばすことができた主な要因はヨーロッパでは、SUVが自動車販売の37%を占めており、米国では50%以上を占めているという背景を受け、「T-Cross(Tクロス)」、「T-Roc(Tロック)」や「Atlas(アトラス)」といった利益率の高いSUVセグメントモデルを推進したことだという。

特に2019年に70万台以上販売した「Tiguan(ティグアン)」は、フォルクスワーゲン社製の自動車の中で最も販売された車種となり、世界で最も販売された車種のトップ10に入ったとのこと。

また、それと同時に同社は2019年よりe-モビリティとデジタル化に焦点を当てた「TRANSFORM 2025+」を推進。これにより当初の計画より早く、2019年末までに30 億ユーロの年間コスト削減目標のうち、27億ユーロの削減を達成した。

1万900人を超える労働力の削減も実施したが、デジタル化やe-モビリティといった分野で、4,500以上の新しい雇用も生み出しているという。

同社COOは「“TRANSFORM 2025+”戦略の第1段階を実行し 成功を収めました。第2段階では、フォルクスワーゲンをe-モビリティ分野におけるリーディングカンパニーにすることを目指し、フォルクスワーゲン自体を、デジタルテクノロジー企業へと変革させていく。」と述べている。

しかし今後の業績に関しては、現在の新型コロナウイルス危機に関連した不確実性により、先の見通しは困難な状況にあるとのことだ。