一般社団法人日本eスポーツ連合が、経済産業省委託事業として開催した「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」(以下、e活研)の報告書を公開した。
e活研は、経済産業省委託事業「令和元年度新コンテンツ創造環境整備事業(eスポーツに係る市場規模等調査分析事業)」により開催したもの。
主に、以下の2点に取り組み、eスポーツの健全な発展に資することを目的としているという。
1.周辺市場・産業への経済効果を含めた国内のeスポーツの市場規模の試算、海外主要国のeスポーツの発展の経緯等に関する調査・分析を行うこと
2.eスポーツの社会的意義について国内の各種取組の現状、課題、今後の展望等を踏まえ整理・検討を行い、一定の示唆を得ること
これらはeスポーツに詳しい有識者、今後eスポーツの発展に伴って効果の波及が想定される産業領域の企業・団体等計16名の委員で、2019年9月から計5回にわたり、eスポーツを活性化させるための方策を議論された。
同報告書によると、国内eスポーツの長期市場規模目標は2025年に600〜700億円となったという。さらにこの目標に留まらず、2025年以降も市場規模を拡大させる余地があることも確認された。
またe活研での討議の結果、長期的な日本のeスポーツ市場の成長に向けた提言のまとめに加え、スポーツ庁が「第2期スポーツ基本計画」で定義する「スポーツの価値」をフレームとして社会的意義の実現に向けた提言が以下のようにまとめられた。
長期的な日本のeスポーツ市場の成長に向けた提言
社会的意義実現に向けた提言
なお今後も検討していく事項および未来に向けたメッセージとしては、
・ゲームタイトル(IP:intellectual property)利用・許諾に関するガイドラインの必要性
・共生社会や地方創生の実現に向けたeスポーツ情報を発信する拠点の整備
・eスポーツの持つ教育的価値の探索とそれを支えるエビデンスの取得
の3点を基軸に整理されたとのことだ。