豊田通商は、新興国におけるモビリティサービスやMaaS領域の事業開発の推進を目的に、WhereIsMyTransport Ltd.(以下、WIMT社)に、シリーズA資金調達ラウンドにおいて出資し、業務提携を締結したことを発表した。
WIMT社は、南アフリカ共和国ケープタウン市を拠点として新興国39都市で公共交通データプラットフォーム事業を展開する英国のスタートアップ企業である。
アフリカ地域の新興国などでは公共交通機関が未発達で、多くの人々が、パラトランジットと呼ばれる個人事業者が運行するミニバスなどの「補助的な公共交通」に頼りながら生活しているという。
このようなインフォーマル交通は行政機関でも実態の把握が難しく、都市全体における移動効率の低下や安全性の課題があったとのことだ。
そんな中、WIMT社は、デジタル技術を活用した独自のアプローチにより、パラトランジットを含む全ての公共交通に関する交通データ(ルート、運賃など)を収集・見える化し、新興国特有の交通環境に対応した公共交通データプラットフォームとして提供することを可能にした。
WIMT社のデータプラットフォームは、約1千万人の利用者の移動を支え、新興国に特化したMaaS基盤(交通統合データ・機能)構築による、交通アクセシビリティの改善や安全で効率的な移動サービスの発展や社会課題の解決を促進しているという。
今回、豊田通商はWIMT社に出資することで、公共交通データプラットフォーム事業の開発支援および同社が持つ事業ノウハウとグローバルなネットワークを活用し、新興国へのさらなる展開を加速するとしている。
また、同事業の推進により、MaaS事業を通じた新興国における持続可能な都市交通の実現と、社会課題解決への貢献を目指していく方針を示している。