エンジニアにとって最上級の成長環境とは。そのひとつの答えが、世界最大級のコンサルティング/ITサービス企業「アクセンチュア」かもしれない。
さまざまな業界や業務領域、テクノロジーのプロフェッショナルが活躍するアクセンチュアには、「世の中に大きなインパクトを与える仕事をしたい」と考えるエンジニアにとって、刺激的な環境が整っている。
例えば、2019年12月に発表された、基幹系システムのフルクラウド化を実現するソリューション「アクセンチュア クラウドネイティブ コアソリューション(通称 MAINRI/メイリ—)」の開発を例に見てみよう。
近年、クラウドでのシステム構築が主流になってきたものの、企業の根幹を支える基幹システムをフルクラウドで実現したケースはこれまでなかった。「アクセンチュア テクノロジー」※では、その未知の領域に踏み込み、世の中で本当に求められている新たな基幹システムをゼロベースで模索。約1年の開発期間を経て、このMAINRIは産声を上げた。
一体どのようにMAINRIプロジェクトが始まったのか。そして、携わったエンジニアにとって一番のやりがいとは。今回は、MAINRIに携わったITソリューション マネジング・ディレクターの水上廣敏氏、シニア・マネジャーの星川彰男氏、角山恵介氏の3名にインタビュー。これまでのキャリアとプロジェクトを振り返りながら、エンジニアとしてアクセンチュアで働くことの醍醐味について話を伺った。
※「アクセンチュア テクノロジー」とは
国内外の先端テクノロジーを活用したITビジネス基盤の実現を支援する部署。テクノロジーラボやリキッドスタジオをはじめとする日本および世界中の先進技術の研究開発拠点、世界中の開発拠点によるグローバル・デリバリー・ネットワーク、主要ITベンダーとのアライアンス、そして、それぞれにエキスパートを配置した日本の主要拠点を活用し、中立的立場でお客様ごとのニーズに即した最適なITソリューションを組み合わせ、テクノロジー戦略策定から導入・運用までワンストップで提供している。
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大型のエンタープライズ案件に関われるのは、アクセンチュアならでは
「アクセンチュア テクノロジー」に所属し、MAINRIの開発に関わっている水上氏、星川氏、角山氏の3名。まずは、MAINRIで務めている役割と、これまでのキャリアについて伺った。
アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 マネジング・ディレクター 水上廣敏氏
水上:「現在はマネジング・ディレクターとして、Emerging Technology Teamのリードをしています。このチームは、先端的なテクノロジーを活用してお客様に新たなソリューションを届けていくチーム。その中で統括しているプロジェクトの1つが、MAINRIの開発です。
私自身は、もともといた会社がアクセンチュアにM&Aされたのを機に、2008年からアクセンチュアの一員として働いています。やっていることはずっと変わらず、まだ世の中にないものを作り、お客様に届けるということです」
アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 シニア・マネジャー 星川彰男氏
星川:「私は2014年に新卒で入社し、デジタル・テクノロジー アーキテクトという職種で働いています。MAINRIのアーキテクチャ、その中でも、アプリケーション部分を担当。プロジェクトで用いるマイクロサービスアーキテクチャの方針やアプリの設計思想、それをサポートするアプリケーションフレームワークを作成しています。
学生時代から個人で開発をしていたのですが、個人では絶対に経験できないエンタープライズ案件の開発を手がけられると思い、アクセンチュアを選びました」
アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 シニア・マネジャー 角山恵介氏
角山:「私も同じく、デジタル・テクノロジー アーキテクトとしてMAINRIに携わっています。担当しているのはシステムの基盤部分。環境面の可用性やセキュリティのデザイン、発生するトラブルの対処のほか、お客様へのアーキテクチャの説明などを担当しています。
アクセンチュアに入社したのは2017年。これが3社目です。1社目では官公庁系システムを担当。2社目ではクラウドを活用したWebサービスやWebシステム設計、開発、構築、運用保守全般に取り組んでいました。
これまでの会社での仕事も楽しかったのですが、Web系のシステムだと作るアーキテクチャがだいたい似たものになりがちで、ずっといると同じことの繰り返しになってしまったんですね。そこで、新しい環境を求めて転職を決意。さまざまなエンタープライズ案件に関わり、世界的にも規模が大きいITサービス企業でレベルアップしたいと考え、アクセンチュアに入社しました」
「クラウドで基幹系ができないか?」半信半疑で始まったMAINRIプロジェクト
現在、3名が携わっているのが、フルクラウドの基幹系システムをゼロベースで作り上げるMAINRIプロジェクトだ。
- 「アクセンチュア クラウドネイティブ コアソリューション(通称 MAINRI/メイリ—)」とは
- マイクロサービスアーキテクチャで構築されており、すべてのサービスをAPIで提供することが可能。
- ミッションクリティカル性を担保するため、オートスケールアーキテクチャとDevSecOpsの仕組みを採用。
- バッチのためにオンライン処理を止めないため、リアルタイム分散バッチ処理アーキテクチャを採用。
- 顧客データをリアルタイムに分析し、即時アクションを実現するハイパーパーソナライズを実装。
フルクラウド環境で基幹業務システムの構築、運用を行うためのソリューション。
<MAINRI 4つのポイント>
「基幹系にクラウドは使えない」という常識を覆した前代未聞のプロジェクトは、どのようにスタートしたのだろうか。プロジェクトを率いた水上は次のように話す。
水上:「数年前から、企業の根幹を支えるシステムにクラウドを使えないだろうかと社内で議論をしていました。クラウドはどんどん進化していて可能性を秘めているのに、いつまで経っても基幹領域に活用できないというのはもったいない。
そこで、『世の中にないのであれば、チャレンジしてみよう』という話になり、プロジェクトがスタートしました。難しい挑戦であるのは明らかですし、取り組む中でも本当に実現できるのか半信半疑でした。しかし、『フルクラウドの基幹システムができたら、世の中を大きく変えられる』という思いが大きかったのです。
開発するからには、お客様に選んでいただけるものを作らなければいけません。
4カ月かけてデモを開発。新しいサービスの導入を検討されていたお客様にデモを見ていただいたところ、高い評価をいただきました。作り込んだらすごいものができるよね、と。お客様と私たちの『新しいものを生み出したい』という思いが重なり、そこから、本格的な開発がスタートしたのです。
基幹システムには、堅牢性と安定性が求められます。それを維持しながら、クラウドだからこそ実現できる柔軟性と機動性を併せ持っているのがMAINRIの特徴です。新たなサービスの立ち上げの際にも、迅速に機能を追加し、お客様ごとにカスタマイズができます。
エンジニアの視点から言えば、大きなチャレンジがちりばめられているソリューションです。今、我々ができるすべてのことを詰め込んでいるので、『こんなに楽しいことはない』の一言に尽きますね」
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やりたいこと実現するため、ゼロからアーキテクチャを構築
MAINRIの開発期間は約1年。コンサルタントも含めると、相当数のメンバーが関わったという。その中でアーキテクチャの部分を担ったのが、星川氏、角山氏が率いるチームだ。両名はプロジェクトに関わる中で、どんなやりがいを見い出したのだろうか。
星川:「これまでにないものをつくるわけですから、自分が理想とするアーキテクチャをえんえんと追究できたことが楽しかったですね。
単にクラウドで動かすだけでなく、基幹としての特性を持ちながら、新しいマーケットに応えられるものをつくらなければいけません。MAINRIはまったく新しい挑戦で、既存のパッケージを導入することはできませんから、自分たちがやりたいことを実現するためには一からパーツをつくるしかない。どういう配置で、どういう構成がいいのか、チャレンジの連続でした」
角山:「基幹系をつくるという大きな構想の中で、アーキテクチャのバランスを取るというのが我々の役目です。規模が大きくなるほど難易度が上がりますし、次から次へと課題が出てきて、それをどう解決するかを1つずつ考えていかなければなりません。
また、我々がつくる基盤部分の先にアプリケーションをのせるので、スピード感も求められます。これらも含めて全体的なバランスを取っていかなければいけないのが、このプロジェクトのおもしろいところでしたね」
課題に対して真正面に向き合い、探究していける環境がある
開発においては、「MAINRIのあるべき姿」をまずは描き、実現のために必要な機能を1つずつ構築していったという。こうした取り組みはMAINRIのケースに限らない。
アクセンチュアでは特定の技術を使うことを前提としたシステム開発は行わず、課題のソリューションとして何が最適かをフラットに考え、追求していくカルチャーが根付いている。
そんなアクセンチュアで働くということは、エンジニアにとって、どんな魅力があるのだろうか。
星川:「エンジニアとして魅力に感じているのが、『最適解を宣言することに対して障害がないこと』です。
目の前の課題を解決しようとしたとき、常に状況に合ったベストな技術を選択できるので、自分がやりたいと思ったこと、やるべきだと思ったことを純粋に実現できる環境があると感じています。
また、『Think Straight, Talk Straight』のカルチャーがあり、役職や年齢に関係なく、自分が考えていることを自由に言い合える風土があります。議論がない場所で良いものは生まれません。お互いの意見をぶつけあい、切磋琢磨しながら、より良い方法を見つけていくことができるのが、アクセンチュアで働く醍醐味の1つだと思います」
角山:「転職して感じたのは、求められるレベルが格段に上がったことですね。雰囲気や流れで何かが決まることはなく、課題に対して『なぜ、そのソリューションなのか』をロジカルに説明しなければなりません。これまで勤めた会社ではスピード感が求められましたが、アクセンチュアでは深く考えることも求められている。それがすごく楽しいです。
また、コンサルタントやマーケターなど、エンジニア以外のスペシャリストと関わって、同じゴールを目指していけるのが刺激的です。技術の部分はエンジニアがドリブンして、業務の部分はコンサルタントがドリブンする。2つが合わさることで、より良いものが生まれていくのを実感します」
水上:「角山君が言うように、いろいろなスキルを持つ人がいるというのがアクセンチュアの特徴の1つです。さらにいえば、それぞれの道を“究めている人”がたくさんいるので、僕たちも成長できるし、エンジニアとして成長していかなければならないという思いにさせられます。同じプロジェクトに参加していても、例えばコンサルタントの人は僕たちとはまったく違った発想で見ていたりするので、そういう人たちと仕事ができるのは、ものすごくエキサイティングです」
エンジニアの尽きない好奇心を満たしてくれる
3名が口を揃えて話すのは、「課題を乗り越えることが、とにかく楽しい」という言葉。アクセンチュアで働くことが、エンジニアとしての好奇心を満たすことにつながっていることがわかる。では、彼らが考えるアクセンチュアで活躍できるエンジニアの条件とは何だろうか。
水上:「一緒に働きたいのは、新しい技術を使って、新しいことにチャレンジしたい人。それから、チャレンジした先にある困難を乗り越え、楽しめる人ですね。チャレンジした結果、ついてくるのは自分の成長です。成長したいという人にとっては、最適な環境だと思います」
星川:「私自身は、言われた通りにするのではなく、何か1つでも『自分はこう思う』という意見が言える人と一緒に働きたいですね。それが正しいか間違っているかは別な話で、意見を交わすことが重要ですから。
私自身、エンジニアとしてIT分野で知らない領域を開拓し続けたいし、常に知識を吸収し続けたい。それを叶えてくれるのが、アクセンチュアだと感じています」
角山:「アクセンチュアには新しい挑戦をするチャンスがたくさんありますが、その分プレッシャーもあります。社内はもちろん、お客様との間で意見の対立が起こることもしばしばです。その時に大切なのが、相手の意見を吸収しつつ、自分の意見をきちんと伝えること。そのやりとりを楽しめる人は、アクセンチュアに向いているんじゃないでしょうか。
私がアクセンチュアに入って良かったと思っていることの1つが、グローバルに目を向けた開発ができることです。海外でいいものがあれば積極的に取り入れたいし、逆に我々がつくるものを海外に展開していきたい。そうした考えの方がいたら、アクセンチュアはとても魅力的な職場だと思います」
水上:「MAINRIプロジェクトはグローバルで見ても他にない取り組みなので、実際に海外のチームから話を聞きたいと相談される機会が多いんです。MAINRIは自信を持って世界にアピールできるシステムですし、アクセンチュアではグローバル規模で世の中を変えていく仕事ができます。そういう仕事をしたいというエンジニアの方と、ぜひ一緒に取り組んでいきたいですね」
取材に協力してもらった3名も所属する「アクセンチュア テクノロジー」では、現在、新しい人材を積極採用している。エンジニアとして新たなキャリアを切り開きたい方、アクセンチュアで働くことに興味がある方は、下記より詳細を確認してほしい。
取材・文:村上佳代
写真:西村克也