ANAホールディングスと三菱地所が、丸の内エリアで三菱地所が受託運営する外国人向け総合観光案内所「JNTOツーリスト・インフォメーション・センター(TIC)」において、遠隔地にいるスタッフがロボットや照明設備などの遠隔操作をして観光案内サービスを提供する「遠隔操作営業の実証実験」を実施することを発表した。
近年、大型台風など自然災害時において、交通機関の計画運休による従業員の出勤時間への影響や出退勤時の危険性の観点から、各所の案内所では営業継続が困難な状況が見受けられたという。
特に高度な外国語スキルが必要となる観光案内所の現場では、常に人手不足が続いていることに加え、子育てや介護に伴う在宅勤務など柔軟な働き方を整備することが急務となっているという。
今回の実証実験は、こうした課題を解決するため、遠隔操作営業で実際に接遇業務を行うにあたっての必要機能の洗い出しを3日間に渡って検証するもの。
ANAホールディングス独自開発の普及型コミュニケーションアバター「newme」を介して、遠隔地のスタッフが案内所に訪れた訪日旅行者に日本全国の観光案内を多言語で実施する。また案内所の遠隔営業の環境整備に関しては、三菱地所が出資する「株式会社Live Smart」のスマートホーム技術を設置し、大規模な工事を要さずに出入口の開施錠や照明設備等の遠隔操作を検証する。
今後、ANAホールディングスは同実験で得た結果をもとに、観光案内業務やフレキシブルな働き方にも適したアバターロボットを研究開発するという。三菱地所はロボットや遠隔操作技術を活用した次世代型の施設運営管理の在り方を追求していくとのことだ。