新型コロナウイルス感染が国内でも急速に拡大している。
ジョンズ・ホプキンス大学の研究所CSSEによると、現在、国内で感染が確認されたのは61名(2月17日現在)であり、うち12名が完治と発表されている。なお、日本国内で死者は1名。
中国への渡航歴がない人の感染も確認されており、政府は16日に研究者との会合「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」を実施。企業に対してもテレワークの促進や時差出勤を行うことを呼びかけ、拡大感染のためにも不要不急の集まりを避けてほしいとしている。
こうした背景を受け、日本国内の多くの企業が、新型コロナウイルス拡大防止のための対策を発表している。
今回、編集部は、各企業における新型コロナウイルス感染症への対策をまとめた。以下は企業ごとの発表である。
ヤフー
国内の全従業員約6,500人に対し、2月14日より通勤ラッシュを避けて時差出勤するよう通知。また100人以上が集まる会議なども原則禁止とする。
同社は、月5回を上限にリモートワークできる制度があるが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、妊娠中や就学前の子がいる社員や介護の必要な人がいる社員、持病がある社員に対してリモートワークの上限を解除している。
NTTグループ
2月17日から国内約20万人の従業員に対して、時差出勤やテレワークの実施を推奨。ドコモやNTTコミュニケーションズなど、同グループ主要企業は勤務時間について、午前10時から午後3時までをコアタイムとするフレックス勤務制度を導入。
GMOインターネットグループ
渋谷・大阪・福岡など中国からの観光客が多く集まるエリアの拠点において、1月27日より在宅勤務を実施。2月10日より長期化に備えた体制へ移行を発表している。
また、今後の勤務体制・事業継続について適切な判断を下せるよう、新型コロナウイルスの情報収集も独自に実施。感染症に関する情報一覧と一連の同社グループの対応状況をHP内で公開している。
ドワンゴ
2月17日から2月21日までの期間、約1,000人の全従業員を対象にテレワークによる在宅勤務を実施。来客などで出社する必要がある場合には、手洗いやうがい、マスク着用などの対応を徹底させるという。またテレワークを継続するかは3連休明けの25日以降に、状況を踏まえて検討するとのこと。
Gunosy
2月17日から2月21日までの期間で、通勤ラッシュ時の電車通勤の回避や在宅リモートワークを実施。やむを得ず出社する社員には、アルコール消毒および出社前の体調チェック、体温チェックなどを義務づける。
また、期間中のミーティングやアポイントメントなどは、可能な範囲でリスケジュールやオンライン会議実施を含めた形で調整し、海外出張は原則禁止する。
クラウドワークス
2月17日から2月21日までの期間、全拠点の従業員を対象に、原則として在宅勤務を実施。やむを得ずオフィス勤務を行う場合、交通機関の混雑時間を避けたオフピークでの通勤を指示。
CAMPFIRE
2月17日より在宅勤務体制へ全面移行が発表された。現時点で期限は未定となっている。
現状、出社を必要とする業務が発生した場合および在宅勤務における各スタッフの環境が不十分である場合のみ、出社を許可するとしている。その場合には、部門責任者の承諾と感染予防対策(混雑を回避した通勤やマスクの着用、オフィス入室前の手洗い・うがい・アルコール除菌など)を徹底するという。
また、固定電話経由の問い合わせ対応も休止。出張、会食なども禁止を発表している。
上記以外の企業においても、在宅勤務体制への移行を発表している企業や、ラッシュ通勤の回避に努めている企業などが多数見受けられている。
企業各社がこうした働き方を実施することで、業界全体に同様の動きが広がる可能性がある。今後も、各企業は独自の対応が求められるだろう。