日産自動車は12日、カルロス・ゴーン氏に対して、損害賠償請求訴訟を横浜地方裁判所に提起したことを公表した。
同訴訟は、長年にわたる元会長による不正行為により発生した損害を取り戻すべく同氏に対し、100億円の損害賠償を求めるものだとしている。
賠償を求める損害は、同氏の役員報酬の虚偽記載に関わる金融商品取引法違反、同氏の取締役としての善管注意義務違反、および会社の資金および資産の私的流用による損害に関するものであるとのことだ。
賠償請求額については、同社が将来的に、証券取引等監視委員会勧告に基づく金融庁への課徴金の支払、同社に対する刑事手続で課される可能性のある罰金などにより被る損害によりさらに増えるとの見込みを示している。
具体的な賠償内容の例として、同氏による不正行為に関する内部調査に要したリソースや日本、米国、オランダおよびその他地域で発生した当局調査対応等の費用などを同社ホームページ上に掲載している。
同社は、日本より不正出国し、司法制度から逃れたゴーン氏の逃亡を受け、元会長に対する損害賠償請求等、責任追及の動きを強化しているとのことだ。
また、同社は、ゴーン氏が、保釈条件に違反してレバノンへ逃亡した後、メディアに対して行った根拠のない名誉を毀損する発言について、別途、法的手続をとる権利を留保している状態だという。