IMF「消費税率、段階的に20%へ」 労働市場の改革なども改めて提案

国際通貨基金(以下、IMF)が日本の経済状況についての最新分析レポートを発表。日本の高齢化と人口減少に伴い、消費税率の段階的な引き上げや、富裕層の資産に対する課税の導入、女性の労働参加拡大などをを改めて提案した。

公表されたレポートは現在の日本の経済状況と、今後の課題を分析したもの。同レポートにおいてIMFは、今後40年間で、日本の現在の人口1億2,700万人はこのままでは4分の1以上縮小することを指摘した。

IMFの日本経済の最新の評価では、2020年の経済成長を0.7%ポイントの回復力があると予測しているが、人口減少と高齢化に伴い、今後40年間では毎年平均0.8%ポイント減少すると予測。IMFはこうした課題への対策として、日本は、金融緩和、柔軟な財政政策、特に労働市場における構造改革を含む「アベノミクス」の相互強化政策を強化する必要があると強調した。

また、この中での最優先事項は労働市場における構造改革だとして、雇用経験のない女性のキャリア育成機会の増加、終身雇用の撤廃や、労働生産性と雇用賃金を上げることなどを強調。

さらに、社会保障費の増加による財政悪化に備え、公的債務を安定化させるために、歳出の削減に加えて、2030年までに消費税率を15%に、2050年までに20%に段階的に引き上げることや、富裕層の資産に対する新たな課税制度を導入することが必要だと提言した。

なお、1月30日にIMF理事会と日本が第4条協議を締結した際には、2018年より実施されている働き方改革の改善を特に強調。引き続き女性、高齢者、外国人労働者の参加を増やすための措置を検討したという。

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